高感度特性が驚くほどアップ!
前述したが、撮像素子は1/2.3型のExmorR CMOSセンサーで、総画素数は1680万画素、有効画素数は1620万画素となる。画像処理エンジンには「BIONZ」を採用し、ISO感度はISO 100~3200まで設定可能だ。
WX10の感度別撮影サンプル
WX7の感度別撮影サンプル
上の写真のとおり、驚くほどノイズが少ない。最高感度のISO 3200でもノイズは目立たない。ノイズリダクションの処理方法の変更か、WX5と比較してもかなりの低ノイズになっている。
ただし、その分ディテールが落ちてしまっており、大げさに言えば“絵画風の処理”をしたかのような、塗り潰したような描写になっている。とは言え、コンデジとしてはかなりの良好なレベルであり、ISO 800あたりからディテールが崩れ始めているが実用性は十分。最高感度でもコンデジでの撮影と考えれば十分な実用性の範囲だろう。
レンズはWX10がソニーGレンズ(24-168mm相当/F2.4-5.9)の光学7倍ズーム、WX7がカールツァイス「バリオ・テッサー」(25-125mm相当/F2.6-6.3)の光学5倍ズームを採用している。
最短撮影距離は共に広角側でレンズ前5cm、望遠側で100cmとなっている。広角側の5cmはいいとしても望遠側の100cmはやや厳しい。少しでも広角側からズームすると、最短撮影距離が大きくなり、カメラと被写体の距離が広がってしまう。このため、マクロ撮影しようと思うと広角側一択となる。望遠側や途中の焦点距離でも、もう少し寄ってピントが合うといいのだが……。
WX10のレンズチェック(広角側)
WX10のレンズチェック(望遠側)
WX10にはマニュアルモードが備わり、絞りを変えることができる。広角側ではF2.4とF7.1、望遠側ではF5.9とF18を選べる。広角側では樽型の歪曲収差が目立つ。周辺の光量落ちは極四隅で僅かにあるが、気にするほどのレベルではない。解像感は高く、無理なエッジ強調などがないのですっきりしたいい感じだ。
WX10の絞り確認(広角側)
WX10の絞り確認(望遠側)
なお、WX10のマニュアルモードで絞りを変えて撮影してみたが、絞りによる被写界深度の変化はない。シャッタースピードの効果での絵作りはできるが、絞りを変えて背景のボケ具合を変えるようなことはできない。
実際に絞り羽根で絞りを変えるわけではなく、電気的もしくはNDフィルターのような物を内蔵して切り替えていると思われる。共にほぼ最短撮影距離での撮影、ズームが7倍あるので、望遠側で100cmでもそこそこ大きく写る。