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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第89回

2013年のIvy Bridge-EXへと続くIntelのサーバーCPU

2011年02月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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2009年~2013年のインテル サーバーCPUロードマップ

8Pサーバー向けはSandy Bridge-EXと
Ivy Bridge-EXの2本立て?

 最後がハイエンド、8P以上の大規模サーバー向けである。こちらはNehalem-EXの後継として「Westmere-EX」が以前から用意されており、特に問題もなくスムーズに移行することになる。名称は「Xeon E7」シリーズになると思われる。

 Westmere-EXの構造はNehalem-EXとほぼ同じで、10コアになった関係で上下方向に非対称になった。Nehalem-EXは「Router」を挟んで上下に4つずつCPUコア(とLLC)が配置されたが、Westmere-EXでは上に6つ、下に4つという形になっている。

Nehalem-EXことXeon 7500シリーズの構造図

 内部は細かく改良されており、キャッシュやバッファの改善、スループット向上などが施されている。だが、大きく見ればNehalem-EXと大差なく、NehalemからWestmereへの以降と同様に、SSE4.2やAES-NIが追加されたのが違いという程度だ。

 2012年になると、このXeon E7も2種類に分かれるようだ。まず2012年の前半を目指して、「Sandy Bridge-EX」が投入される計画らしい。だがこれは、Westmere-EXの直系の後継製品ではないという話がある。「では直系の後継製品は?」というと、2013年以降に登場する「Ivy Bridge-EX」になるという。Sandy Bridge-EXは「Xeon E5-46xx」の上位製品的な扱いとなり、HPCやブレードサーバーなどに特化した製品になるという話だ。

 Xeon 7500の説明でも触れたが、現在のNehalem-EXやWestmere-EXでは、メモリーアクセスのレイテンシーが恐ろしく大きい。メモリーアクセスの際には、以下のようなルートをたどる。

 Core→リングバスのバッファ→CA→HA→MC→SMI→SMB→DIMM

 この間には多くのバッファが介在するから、これでレイテンシーが少なくて済むわけがない。とはいえ、HPC向けに大容量メモリーを搭載可能で、多数のコアを集積したプロセッサーが望まれているのも事実だ。Sandy Bridge-EXは、こうした用途向けの派生品という扱いと思われる。

 したがってSandy Bridge-EXの内部構造はWestmere-EXとは異なり、かなりSandy Bridge-EPに近いのではないかと想像される。だが詳細が判明するまでには、もう少し時間がかかりそうだ。

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