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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第89回

2013年のIvy Bridge-EXへと続くIntelのサーバーCPU

2011年02月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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2009年~2013年のインテル サーバーCPUロードマップ

AMDの「4P Tax」対策として投入される
Xeon E5-24xx

 Xeon E5のベースになるのは「Sandy Bridge-EP」である。デスクトップ向けのSandy Bridge-DPとは異なり、このコアにはGPUは統合されず、その代わり最大8コアの構成とPCI Express 3.0のコントローラーを内蔵する。

 以前の予定では、まず2011年3月にUP構成(QPIが1レーンのみ有効)の「Xeon E5-16xx」シリーズと、QPIが2レーン有効になったDP構成の「Xeon E5-24xx」シリーズがリリースされる。2011年後半(9~10月位?)には、DP向けながら最大8コア構成の「Xeon E5-26xx」シリーズが投入される。そして2012年には、4P構成が可能になる「Xeon E5-46xx」がリリースされる、という予定だった。

 E5-26xxとE5-24xxの差だが、E5-46xx/26xx/16xxシリーズは、いずれもSocket R(LGA2011)のパッケージで提供され、メモリーチャンネルが4本となっている。一方のE5-24xxは、Socket B2(LGA1356)で提供されるという話だ。LGA1356のメモリー構成は、DDR3メモリーの3チャンネルとなっている。またPCI Express 3.0に関しても、LGA2011は最大40レーンだがLGA1356は最大24レーンとなっている。

 冷静に考えれば不思議な話で、これではE5-24xxの存在価値がよくわからなくなる。この製品もやはり、「4P Tax」に関係して登場したものだ。インテルの当初のロードマップでは、DPにはLGA1356を当て、4P以上にLGA2011を使う予定だった。LGA1356はQPIが2本までしか利用できず、4P以上の構成は不可能だからこれでマッチしている。

 ところが、「4P Tax」への対抗策としてDPから4Pへの(同じコストでの)アップグレードを可能にしようとすると、LGA1356のままでは不可能だ。この結果として、急遽UP/DP/4PのすべてをLGA2011で揃えざるを得なくなった。そうなると、既存のDP用に用意したLGA1356の行き場がなくなるため、急遽バリューDPサーバー向けとして投入せざるを得なくなったというわけだ。

 個人的には、「どうせならハイエンドデスクトップ向けに投入してしまえばいいのに」と思わなくもない。おそらく前回でも説明したように、AMDの「Bulldozer」のハイエンド製品と比較すると、やや見劣りすると判断されたのだろう。結果として非常にわかりにくいラインナップになってしまった。

 あるいはもっと将来には、LGA1356のままUP構成となる「Xeon E5-14xx」といった製品が登場して、「ローエンドサーバーをUPからDPへ」といったアップグレードパスが確立するのかもしれない。だが、今のところそうした情報はない。

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