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フリーアドレスの先にあるEmpoweredOfficeの姿

働き方にメスを入れたNECネッツエスアイの引っ越し

2011年02月28日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2010年秋、NECネッツエスアイは旧品川オフィスから文京区の飯田橋への移転を行なった。ここでは、単にオフィス移転、コスト削減だけではなく、コラボレーションの促進や見える化、ペーパーレス化など社員の働き方自体を大きく変えるさまざまな改革を実現した。

会議室をなくしたら風通しが変わった

 「オフィスの引っ越し」はさまざまな事情で行なわれる。スペースが手狭だったり、逆に広すぎて賃料がかさんだりといった理由が多いだろうが、会社の合併や複数の拠点に分散しているオフィスを統合するという目的もある。あるいはコスト削減の手段と割り切る企業もあるだろう。システムインテグレーションやファシリティ管理、通信事業者向けICTサービスの提供など幅広く手掛けるNECネッツエスアイの場合は、東品川と芝浦にあるオフィスを統合すること、そしてより顧客に近い場所に本拠地を構えるという2点だった。結果として、昨年の秋、飯田橋のビジネスビルへの移転を行なった。東品川と芝浦の敷地約8000坪を約5000坪に減らすことで家賃も下げられた。また、山手線のど真ん中で交通の便もよい飯田橋にオフィスを移したことで、顧客の要望に即応できる体制を確保した。

NECネッツエスアイのSI&サービス事業本部 ICTソリューション推進本部 マーケティンググループ グループマネージャー 中原央雄氏

 さて、ここまでであれば通常のオフィス移転の話だ。だが、今度の移転でNECネッツエスアイでは物理的・心理的な壁を徹底的に壊し、新しい働き方を実践できる環境を構築し、オフィス改革を実施した。ここでいう「オフィス改革」とは、工場でいう「生産改革」と同じような意味あい。引っ越しのプロジェクトを担当したNECネッツエスアイのSI&サービス事業本部 ICTソリューション推進本部 マーケティンググループ グループマネージャー(取材時)中原央雄氏は、「とにかく人と情報の流れを単純にしていこうと考えました。壁があると情報の鮮度が落ちますので、徹底的な見える化を進めました」とコンセプトについて語る。具体的には、紙を使わないノーペーパーワーク、物理的な障壁を取り払ったオープンなワーク環境の構築、組織の壁や距離を感じさせないコミュニケーションなどが実現した。

業務に合わせて自由に動ける

 以下、ワークスタイルの刷新に直結したユニークなオフィスを見ていく。ここでは、4階にあるSI&サービス事業本部のフロアをのぞいてみよう。

壁のない、紙のない見た目でもすっきりしたオフィス

特注のホームベース型の机。移動して、打ち合わせなどが行なえる

こちらは少し大きめの執務用の机。電話機もIP化されているのでLANの口に挿すだけ

Collaboration Cubeという会議「室」ならぬ見せる会議スペース。上に無線LAN操作可能なプロジェクタが装備されている

飯田橋オフィスの目玉でもある「AGORA」というクリエイティブポイント。プレゼンテーションステージを持ち、人と情報が集まるポイントとして設置

社員向けの情報がリアルタイムに掲示されるオフィスサイネージ。紙をなくす施策でもある

 引っ越したばかりというのもあるが、全体的にすっきりしているイメージ。キャビネットと紙の資料や本に囲まれている自分たちのオフィスからすると、想像できない見晴らしのよさだ。あるフロアではコピー機が15台から6台へ、コピー用紙も移転後1カ月で半分まで減ったということで、紙の出力がそもそも少なくなっている。さらに東品川から持ってこれる段ボールも1人1箱だけということで、モノ自体が少ない。机までオリジナル設計ということで、オフィス改革への並々ならぬ意気込みが伺える。

 この背後でさまざまなICT活用があるのは想像に難くない。無線LANが張り巡らされ、どの場所からでも社内アプリケーションやインターネットが使えるのはもちろん、PCに電話アプリケーションをインストールしているので、どこからでも電話がかけられる。フリーアドレス用のオフィスコラボレーションツールが動いているので、誰がどこにいるのかもすぐわかる。また、プレゼンス機能により、相手の状況が分かるので、最適な連絡手段が選択でき、効率的に業務が進められる。iPhoneやiPadなどの端末を用いたモバイルワークやペーパーレス会議なども推進している。

(次ページ、現場解決のために現場が考えた!与えられたオフィスではない)


 

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