Apple TVを美味しく味わう2つのスパイス
とはいえ、セットトップボックスとして見たApple TVのコストパフォーマンスは群を抜いている。あれこれ苦言を呈すのも、ソフトウェアを改良すればなんとかなりそうな気がするからで、実際「ちょっとした工夫」で操作性も機能も向上する。ここでは、前ページの意趣返しとして、Apple TVを美味しく味わう2つのスパイスを紹介してみよう。
iPhone/iPad用ストリーミングアプリ「Remote」
Apple謹製のiOSアプリ「Remote」は、単なるリモコンソフトではない。第一義的なメリットは、前ページで述べた「いったんルート階層に戻らなければ異なるカテゴリの再生に移れない」ことの解消で、音楽からビデオあるいはその逆と、サウンド/ビデオライブラリーを快適にブラウジングできる点にあるが、それだけではないのだ。
それは、ビデオ再生機能の強化。バージョン2.1ではAirPlay経由でのビデオ配信(以下、AirPlayビデオ)に対応、iTunes上のビデオライブラリーをApple TVで楽しめるようになり、併せて「iTunesでは(OS XのQuickTimeの機能で)再生できるがApple TVでは不可」というビデオ、例えばSorenson Video 3でエンコードされたビデオを再生できるようになった。iTunesライブラリーに登録できるがiOSデバイスでは再生できなかったビデオを楽しめるというのは、AirPlayビデオの恩恵といえる。
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Remote | |||
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作者 | Apple | 価格 | 無料 |
ファイル容量 | 15.2MB | カテゴリ | エンターテインメント |
対応デバイス | iPhone/iPod touch およびiPad互換 |
対応OS | iOS 3.1.2以降 |
Mac用データ配信ユーティリティ「AirFlick」
以前少しだけ紹介した、Erica Sadun氏によるMac OS X用データ配信ユーティリティ「AirFlick」(関連記事)も、使い方次第では大いに役立つ。Apple TVで静止画を見ようとすると、MobileMeやFlickrにアルバムを登録したり、iTunesライブラリーとは別管理となるため何かと面倒だが、このAirFlickを使えばFinderからドラッグ&ドロップするだけで、PNGやJPEGなど、メジャーな静止画ファイルをApple TVで表示できる。フォントを滑らかにレンダリングする機能はないが、PDFも表示可能だ。
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