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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第63回

開発者に聞く LifeTouchはモバイルギアの夢を見るか?

2011年02月15日 11時00分更新

文● 西田 宗千佳

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「認証」を取ってAndroidマーケットに対応
独自ソフトで「実用性」を追求

 AndroidをOSに採用してキーボードを重視した端末というのは、いくつものメーカーが思いついて開発を手がけている。すでに発売されている例で言えば、本連載でも取り上げた東芝の「dynabook AZ」がある。

 だがdynabook AZとLifeTouchには、大きな違いがある。それは「グーグルの認証を受けたAndroid端末」であるか否かだ。簡単に言えば、多くのスマートフォン同様にAndroidマーケットが利用できることや、GmailやYouTube、Googleマップといったグーグル純正のアプリが利用できることなどが違いとなる。これはすなわち、アプリ互換性の点である程度の保証がある、ということを指す。

Androidマーケットにももちろん対応。アプリを自分で選び、インストールしてカスタマイズできる

お詫びと訂正:掲載当初の画像は別の画像でした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2011年2月15日)

花岡「ユーザーがいろいろなソフトを入れて、『パーソナルコンピューティング』ができることが大切と考えました。そのためには、Androidマーケットにつながることが必要です。世界が広がっていって、どんなアプリがくるか予想できないところに期待しています。やはり、今後なにか新しいサービスが出てくる時に、このマシンでは使えないのはかなり残念なことですから」

「パーソナルコンピューティング」ができることが大切と考えました(花岡氏)

渡邉「他社からは『よくこの仕様で(認証を)通す気になったね』と言われました(笑)。キーカスタマイズなど、いろいろと手を入れていますからね。デバイスドライバーは我々の手でいじれるのですが、その結果として、ほかの機能に悪影響を与えないようなキーコードを選ぶなど、開発には気をつけました」

花岡「Bluetooth 2.1を内蔵しているのも、互換性維持が目的です。あとはスピーカー。このセットにステレオスピーカーを内蔵するかどうかで、ずいぶん考えました。結果として、音が確認できる程度のものを内蔵するかわりに、本格的に音楽を聴くときはBluetooth経由でヘッドホンやスピーカーをつないで利用してもらおう、と考えました」

 他方で、Androidならではの複雑さもある。そのひとつがやはり「キー」だ。

花岡「ショートカットキーは2種類あります。ATOKを含めて、LifeTouch向けに用意したアプリは『Ctrl』系のショートカットキーに対応していますが、Androidの標準に準拠したアプリは『Menu』系を利用します。Insert/Deleteの利用についても同様です」

 Android用アプリは増えているが、キーボードを中心に操作するものはまだ少ない。その関係から、LifeTouchにはオリジナルのアプリが複数搭載されている。メールアプリやTwitterクライアントの「ついっぷる」、メモソフトである「ライフノート」などがそれに当たる。また独自のアプリ検索サービスとして、NECビッグローブが運営する「andronavi」が用意されている。

オリジナルのメールソフト。横に広い画面を生かし、2ペイン型になっている

オリジナルのメモツール「ライフノート」。シンプルなテキストメモツールだが、ブログとの連携機能などを備えている。花岡氏のお勧めは「買い物メモとして使うこと」とのこと

Twitterクライアント「ついっぷる」。こちらも横方向への画面の広さを生かしたデザインになっている

NECビッグローブ運営の「andronavi」がアプリとして搭載されている。これとAndroidマーケットを併用してアプリを探す

花岡「快適に文字を入力できるようにして、それで何をするのか、という提案が必要と考えました。おそらく最初はメールのようなコミュニケーションや、ブログに利用されるでしょう。ですから、一貫してそれらのニーズに応えるアプリを用意したい、と考えたわけです。モバイルギアで言えば『MGメール』(内蔵のメールソフト)に相当する部分ですね」

「原稿を書くのに使えるテキストエディターを、という議論はありました。ですが、『文字数・行数をカウントできるテキストエディター』を利用するユーザーを対象にすると、利用者が絞られてしまうのではと考えました」

渡邉「『ツールはAndroidマーケットで探してね』という提案ではありません。これらのプレインストールアプリは、パソコンにプレインストールされているアプリのセットと同じですね」

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