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古田雄介の“顔の見えるインターネット”第88回

「林雄司さんっぽい面白さ」がキープできる理由

2011年02月15日 12時00分更新

文● 古田雄介

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サブカルチャーと言われるのが嫌い

―― もうひとつ林さんの活動でユニークに感じるのは、「どこにも染まらない感じ」がある点です。カテゴライズされるのが嫌いなのかなと思ったんですが、そのためにどんな手を打っているんですか?

 そうですねー……たぶん、サブカルチャーと言われるのが嫌いなだけだと思います。サブカルチャーとくくられると、狭くて永遠にメジャーになれる気がしないんですよ。それにサブカルチャー特有の分かりにくさも嫌なんですよね。

 たとえば、大山さんがやっている「団地」なんかは、サブカルチャーとして好きという人はもちろんいると思うんですけど、団地という素材自体はどこにでもあるメジャーなものじゃないですか。

 あれを愛でるにしても、どういう部分が良くて団地にはどういう種類があるのかといったことを分かりやすく説明すれば、全然サブじゃなくてメインカルチャーになると思うんですよ。伝える側の説明が下手だったり不親切だったりすると、「マニアック」「サブカル」とされてしまうでしょうけど。

―― たしかにサブカルは「一見さんお断り」的な雰囲気が強いものも多いですね。個人的には、ロマンを浪漫と書いちゃうようなお酒の雑誌なんかも似た雰囲気を感じますが。

 あー、漢字で書くみたいなね。ありますね。そういう「この雰囲気を理解できないなら、もう知らない」みたいな感じにはしたくないんですよ。

 個人的には、明和電機さん。自作の楽器を使って、すごくポップで分かりやすく面白さを伝えていますよね。ああいう活動が一番メインカルチャーなのかなあと思うんですよね。

個人サイトのカラーが続いていることについて、「そんなにメジャーになりきれていないからじゃないですかね」と笑う

―― 誰でも直感的に面白さは伝わりますよね。でも、有名になると、ファンが自然とサブカルの雰囲気を作るという面も出てきますね。外部の目では、そういう「ファンの殻」を通して作り手を見てしまう。

 そういうのありますよねー。DPZもややその気はあって、もっと広くしたいなぁと思いつつも、今読んでくれている人からいただく「周りにこういうの分かる奴、いないんですよねー」という声は否定したくない。というか否定しちゃ悪いなぁと。そのあたりをちょっとくすぐる感じがいいんだろうなーとも感じています。

―― その微妙な具合はどうやってハンドリングしているんですか?

 うーん……記事のテーマについては、今で言うと「AKB48」みたいに、どうしても特定の匂いがついちゃうものは取り上げないようにしていますね。伝え方の面では、顔文字やネット用語を使わないようにして、(読者層を)狭くしないように意識しています。あとは、ライターごとの記事検索機能はつけないといったところですね。

 ライター検索の要望は何年も前から来ているんですけど、なんかこう、個人のフェティッシュになっちゃうと気持ち悪くなるんですよ。だから、あまのじゃくにいっそライター名を全部とっちゃおうかなと思ったりもして。まあ、絶対に誰が書いたか分かりますけどね(笑)。

(次のページに続きます)

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