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iPhoneで話し言葉をバッチリ認識! 「Dragon Dictation」

2011年02月10日 12時00分更新

文● 海上忍

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「貴社の記者が汽車で帰社した」を一発変換

 このアプリの白眉は、かな漢字変換を行なったうえで日本語のテキストが出力されるところ。使用しているかな漢字変換エンジンおよび辞書の詳細は不明だが、ある程度の練度を備えたシステムが採用されていることは確かだ。

入力テストの結果

 まず筆者が試したのは、日本語入力システムでお約束の「貴社の記者が汽車で帰社した」。これは難しいかと思いきや、なんと一発で正しく変換された。次に、少々意地悪く「箸を持って橋の端を走った」を試したところ、「箸を持って箸の箸を走った」となったが、「橋」と「端」が「箸」に誤変換されただけで、「はし」という音そのものは正しく認識されたことが分かる。結構な早口で読み上げたにもかかわらず、だ。

 ほかにも表に挙げた言葉をテストしたが、音の認識精度のみならず、かな漢字変換のデキも良いことがうかがえる。句点を「まる」、『「』を「かぎかっこ」と読み上げるのが面倒に感じたものの、普段と同じ音量と速さで話せばよく、音声認識ソフトにありがちな徒労感は特になかった。iOS 4の音声コントロールに比べても、はるかに実用的なレベルに仕上がっている。

読み上げテストの結果
読み上げた文字列 実際に入力された文字列
本日は晴天なり 本日は晴天なり
天気晴朗なれど波高し 延期晴朗なれど波高し
貴社の記者が汽車で帰社した 貴社の記者が汽車で帰社した
新しいMacを買いたい 新しいmacを買いたい
ハワイへ行きたいが難しそうだ。※ 甘い液体が難しそうだ。
ここが東京副都心の「新宿」だよ※ ここが東京副都心の「新宿」だよ
猫がニャーニャー鳴いている 猫がニヤニヤ泣いている

「。」(句点)の箇所は、「まる」と話すことで認識させている。また『「』および『」』は、「かぎかっこ」と話している

 ただし使い方にコツはあるようで、特に前述の「箸を持って……」のような再変換が必要になりそうな場面では、単文節変換を意識して読み上げたほうがいい。この例でいえば、「箸を持って」と「橋の」と「端を」、「走った」を分けて読み上げるということだ。そうすれば、後から文節部分をタップして再変換できる。一方、全文を読み上げると文節として認識されない場合があるため、一部分だけの再変換は難しくなる。

文節として認識された語句は、タップすることで再変換が可能

 こまめに区切って再変換するくらいならソフトウェアキーボードで入力したほうが速いという意見もあるだろうが、このDragon Dictationについては、慣れさえすれば活用の場面は大いにありそうだと感じた。

 Dragon SearchではGoogle/Yahoo!を利用した検索がすでに行なえるため、例えば2つの地名を話すことで経路検索を行なわせたり、「2月16日10時に九段下」と話すとカレンダーにイベントが登録されたりなども可能になると、重宝するのではないだろうか。今後の機能拡充に期待したい。


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