ほぼ自動で決算書類や確定申告書を作成できる
科目の登録まで終われば、後は実際に仕訳を入力していくことになる。ここでは売掛金の入力の流れを見ていこう。
まずメインメニューの「日常簿記」タブから「売掛帳」を選択する。
これで勘定科目「売掛金」において、補助科目として登録されている取引先が一覧表示される。ここで売掛金を登録したい取引先の「開く」ボタンをクリックしよう。
これで売掛帳が表示されるので、相手勘定科目と相手補助科目、摘要、売上金額を入力するという流れだ。
また請求に応じて入金があった場合、支払い方法に応じて勘定科目を指定し、入金された金額を「回収金額」として入力すれば自動的に消し込みが行なわれ、もし残金がある場合は残高欄にその金額が表示される。
こうして入力した内容は、自動的に関係する帳簿にも反映される。
たとえば売掛金に対して口座に振り込みが行なわれ、売掛帳で入金された金額を入力した場合、預金出納帳にその内容が反映されるという流れである。さらにこうして入力した内容は集計表にも反映される。
たとえばメインメニューの「集計表」から「現預金明細表」を選ぶと、現金や銀行口座の残高を確認可能だ。
当然ながら勘定科目ごとに表示/非表示を切り替えられるほか、期間を指定することもできる。
こうして1年分の仕訳を入力したら、最後はいよいよ決算だ。
ここでは決算書を作成することになるが、自宅を作業場として利用している場合、たとえば電気代のうち事業用に使っているのは何割、といった按分を行なわなければならない。
このための機能も青色申告らくだには搭載されている。「決算」タブの「家事按分」を選択すると、水道光熱費や通信費、地代家賃といった勘定科目が並んでおり、それぞれに家事割合を入力することが可能になっている。
ここでそれぞれ入力した後、画面下の「仕訳書出」を選択すると、自動的に仕訳が登録されるという流れだ。
決算書もそれまでに入力した内容から、自動的に生成される。もちろん確定申告に必要な書類も出力できる。
なお初回出荷版では、申告書の様式が確定していない時期にリリースされているため、確定申告書を出力することができない。「サポート」タブ内にある「ダウンロード」をクリックし、アップデータを入手しよう。
原稿執筆時点では、「Rev.2.00 【平成22年分 確定申告書B対応版】」がすでに公開されており、これを適用することで今年の様式に合わせた確定申告書を出力することができる。
実際に操作してみると、勘定科目まで登録してしまえば仕訳の入力に不便を感じることもなく、個人事業主向け会計ソフトとして考えれば集計表や決算関係の機能も必要十分だろう。
またマニュアルがしっかりしているため、基本的な使い方で戸惑うこともない。
実際に活用するためには複式簿記の知識は必須だが、青色申告のメリットやお金の流れが掴みやすくなることなどを考えれば、個人事業主でも勉強する価値は十分にある。
ぜひ青色申告らくだ2011で、節税対策として青色申告にチャレンジしてみよう。