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週刊 PC&周辺機器レビュー 第89回

HD時代の新しい“どこでもTV” Slingbox PRO-HD

2011年02月04日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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リモコン設定最大の難関は
リモコンを正しく向けること?

リモコン学習のページ

リモコン学習のページ。英語だが特に難しい要素はなく、基本的に指示されたリモコンのボタンを適切に押すだけでいい

 Slingbox PRO-HDの設定に自分の使っているDVRやチューナーがない場合は、DVRやチューナーに付属の赤外線リモコンから発せられる信号を、Slingbox側に学習させる必要がある。これはSlingboxのリモコン学習ページで可能となっている。

 手順は単純で、Slingbox PRO-HDに機器のリモコンを向けて、画面の指示に従って該当するボタンを押すと、そのボタンを押した時に発せられる信号を記憶する。そして、視聴時にSlingPlayerの仮想リモコンのボタンを押すと、その信号が赤外線リモコンケーブルから発せられて、DVRを操作できるというわけだ。

リモコンを学習させる際には

リモコンを学習させる際には、まず操作したいDVR/チューナーの種類を選び、メーカー名や機器名を登録する。種類によって仮想リモコンの形状も変わるので、適切なものを選ぶこと

リモコンの学習画面

リモコンの学習画面。画面で指示されたリモコン上のボタンを、リモコンをSlingboxに向けながら押すだけ……なのだが、なかなかうまくいかない

 ただし、実際の設定は意外に難しい。Slingboxシリーズについての情報が多く公開されている「Slingbox Fan」を見ても、リモコンの学習に苦戦したユーザーの声が多く見受けられるほどだ。記者が苦戦したのは、「Slingbox PRO-HD側がリモコンの信号を正しく認識してくれない」点だ。まず、Slingbox PRO-HDのどこにリモコンを向ければいいのかがわからない。

 Slingbox PRO-HDの前面下の左側には、小さな上向きの三角マーク[▲]がある。リモコン受光部はこの上にあるようなのだが、リモコンをここいらに向けて何度ボタンを押しても、なかなか認識されないのだ。画面のメッセージでは「4~5インチ(約10~12.5cm)離して操作しろ」と書かれているのだが、記者が試した際には2cmくらいまで近づけないと、反応してくれなかった。

赤枠のあたりがリモコン受光部

赤枠のあたりがリモコン受光部……らしい。ここにリモコンを向けて、正しく受信されるまで何度も手順を繰り返した

 また、一旦は正常に認識されたように見えても、実際に仮想リモコンを使ってみると、正しく動作しないという場合もある。リモコン学習は何度も試行錯誤と調整を重ねる必要がありそうだ。今回は締め切りも迫っていたので、TZ-WR320P付属リモコンの完全な再現はできなかった。とりあえず、DVRの電源オン/オフや視聴操作に最低限必要な選局、番組表表示はできたのでよしとしたが、今後もし必要な設定が完成したら、本記事にて設定情報や設定ファイルを公開することも検討したい。

種類「Satellite」の仮想リモコン

種類「Satellite」の仮想リモコン(赤枠内)。最低限必要な操作はできたが、そもそもTZ-WR320PはDVRなので、種類も「DVR」を選ぶべきだった

ルーターの手動設定は
わかりやすいガイドを見ながら

Slingbox PRO-HDと同一のLAN内に視聴する機器があるなら

Slingbox PRO-HDと同一のLAN内に視聴する機器があるなら、ここで「次へ」を押して完了

 Slingbox PRO-HDを日本の家庭で使うことを想定すると、DHCP機能を持ったブロードバンドルーターの下に同機を接続するという方法が一般的だろう。そうした環境の場合、同一のLAN内にSlingbox PRO-HDと視聴するパソコン(および無線LAN接続のモバイル端末)が存在するのであれば、ネットワーク接続はほぼ自動で完了する。あまりに簡単すぎて、拍子抜けするほどだ。

 家庭外からSlingbox PRO-HDに接続するという場合は、ルーター側の設定を変更する必要が生じる場合もある。ルーターを手動で設定する場合は、ルーターのメーカー名と製品名を選ぶと、その機器に合わせた設定ガイドが見られる仕組みとなっている。ガイドを見ながら作業すれば、間違えずにルーターを設定できるというわけだ。

 ただし、例によって日本でしか流通していない機器についての対応は弱い。記者の場合、バッファローの「WZR-AGL300NH」という無線LANルーターを使っているのだが、当然この製品は一覧にない。しかたなく似たような機能を備えると思われる機器を選んで進めてみたが、表示されるガイドが英語という点を除けば、ほぼWZR-AGL300NHと同じ設定方法であったので、迷わずに設定できた。

ルーターの手動設定に関する画面

ルーターの手動設定に関する画面。残念ながら記者所有の無線LANルーターの名前はない

ルーターの手動設定に関する画面

Slingboxのガイド付き設定画面では、画面右にルーターの実際の画面が、左端にどこを操作すべきか図示される。英語ではあるがなかなかわかりやすい

 基本的にルーター設定では、Slingbox PRO-HDが使うTCPポートを、明示的にSlingbox PRO-HDに割り当てる作業が必要だ。初期値ではポート5001を使うようになっている。ただしポートの設定では、Slingbox PRO-HDのIPアドレスも手動で定義する必要がある。もしルーターの再起動などでSlingbox PRO-HDのIPアドレスが変わった場合は、ルーター側の設定も変更しなくてはならない。

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