スマートフォン時代が到来! しかし……本当に便利?
2010年は“スマートフォンの普及元年”と言える年だった。アップルから「iPhone 4」が6月に発売され、後半にはNTTドコモやauなど、各キャリアからAndroid OS搭載のスマートフォンが相次いで発表された。筆者が1月21日に山手線のある車輌内で調べたところ、3人に1人が何らかのスマートフォンを使っていた。
スマートフォンはPCのようにアプリを追加することで、機能を拡張してさまざまな用途に使えるため、今やモバイルPCの代わりとして持っているというユーザーも少なくない。
しかし、こんな時代だからこそ逆に提案したいのが、富士通 WEB MARTで販売されているウルトラモバイルPC「FMV-BIBLO LOOX U/G90」だ。確かにスマートフォンが流行っている現在だが、スマートフォンが完全に使いやすいデバイスとは言い難い。特にビジネスのメールや文章作成など、キーボード操作が多いユーザーにはスマートフォンのソフトウェアキーボードは抵抗があるだろう。
また、いくらスマートフォンのアプリが豊富とはいえ、使い慣れたWindowsのソフトを今この場で使いたいという欲求もある。そんな「スマートフォンだとチョット足りない」というユーザーのため、「FMV-BIBLO LOOX U/G90」とスマートフォンをガチで対決させて使い勝手を検証してみた。
今、「FMV-BIBLO LOOX U/G90」を推す理由
筆者が「FMV-BIBLO LOOX U/G90」を推す理由はなんと言ってもその小さな本体サイズにある。本体サイズは幅204×奥行き106.5×高さ23.8mm(*)と、A4の用紙を縦に半分に折ったもの(210×148.5mm)より小さい。
男性であれば、ジャケットの内ポケットにすっぽりと収まるサイズだ。確かにハンディタイプのスマートフォンよりは大型だが、「iPad」や「GALAXY Tab」などのスレート型タブレットと比べれば同クラスのサイズと言える。
さらに重量も標準のバッテリーパック搭載時で495gと、500gを切る軽さは魅力的だ。
*内蔵バッテリパック(L)を装着時は31.6mmになります
ちなみに、キーボードの使い勝手を考えるならば、サイズはこの小ささが限界であると筆者は考える。これ以上小さくしてしまうと、1つ1つのキーサイズが小さくなるか、キーボードのいくつかを省略しなければならなくなるため、かえって使い勝手が悪くなる。
その点、本機は主要キーの幅を16mmピッチと確保しつつ、必要最低限の75つのキーを入れてこのサイズの仕上がりだ。実際に使ってみると、普段使っているフルキーボードからは若干の慣れが必要だが、半日も使い続ければ、フルキーボードと同じ速度で文字を入力することができた。
実際にこの原稿の前半部分は本機で執筆してみたが、慣れてしまえば非常に使い心地がよく、まさにスマートフォン的な携帯性とPCの文字入力性能を併せ持つことのメリットが実感できた。
本機はスマートフォンというジャンルから外れているため、一般的には同一視はされない。しかしながら、スマートフォン同様にタッチパネル式のモニターを採用するなど、「多機能な携帯端末を使いたい」という需要的な側面で考えるならば、十分にスマートフォンと同じ土俵に並べることができる。サイズや重量では前述の通りタブレットと同等、というかスマートフォンにも迫る携帯性だ。
OSは「iOS」や「Android OS」よりも遙かに汎用性が高く、ソフトウェアも充実している「Windows 7 Professional」(32bit)が初期導入されている。そのため、新たにアプリを購入しなくとも、ノートPCユーザーならば今まで使っているソフトをそのまま継承できる。
もちろん、Flashが見られないといった機能的制限もない。さらに、公衆ネットワークとして「UQ WiMAX」の通信モジュールを内蔵しているため、外出先でメールやウェブサイトの閲覧が気軽にできる。
UQ WiMAXは1日から使えるプランがあるため、携帯キャリアの「2年間の契約縛り」という不利な契約をしなくてもいい。「SIMロック」という問題とも無縁だ。UQ WiMAXや3G回線を始め、キャリアの選択はそれこそ自由自在。USBの接続アダプターを使ってもいいし、モバイルルーターを併用してもいい。これらを併せて考えると、現在のスマートフォンと比べても決して劣るところはなく、むしろキーボードをフルに活用したいユーザーにとってはスマートフォンよりもベストな選択肢と言えるだろう。