このページの本文へ

Sandy Bridgeで組む予算別オススメパーツ構成 第2回

10万円で組むSandy Bridge自作PC

2011年02月03日 12時00分更新

文● 山県

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

プランA
H67を使いつつゲーミングPCとしても利用可能に

 まずプランAの構成として特徴的なのは、H67チップセットでありながら、ゲーミングPCとしてのスペックも満たす点だ。CPUは、H67と組み合わせるということで、よりVGA機能に優れた「Core i5-2500K」を選択。“K”型番の特徴ひとつである倍率ロックフリーによるオーバークロックを十分に発揮できないと言う点では少々もったいない気もするが、動画のハードウェアエンコードもこなすという点がH67の魅力。もちろん1000円ほど安い「i5-2500」を選択してもかまわないのだが、たったの1000円ということを考えると前回の「Core i5-2300」と「Core i5-2400」同様(こちらは500円差だったが)、あまり迷うところではない。

プランA「Micro ATX構成」
CPU Intel「Core i5-2500K」 約2万円
マザーボード ASUS「P8H67-M PRO」 約1万4000円
メモリー DDR3-1333 4GB×2枚セット(バルク) 約6000円
ストレージ WesternDigital「WD20EARS」(2TB) 約6500円
光学ドライブ LG「BH10NS30」 約1万1500円
ビデオカード Radeon HD 6850 約2万円
電源 Enhance「EPS-1270(P)」(700W) 約1万2000円
PCケース InWin「IW-BR661」 約8000円
合計金額   約9万8000円

 予算制限が10万円となったことで、かなり“いまどきのPCらしく?”なってきた今回のモデル。ほぼ余裕のない約9万8000円での構成となるが、それなりに贅沢な作りとなっているのがお分かりだろう。

発売当初から人気となっている「Core i5-2500K」。特徴のひとつである倍率ロックフリーはもちろん、内蔵GPUがIntel HD Graphics 3000になるという点は、ビデオカードなしの環境でもある程度の活躍を約束してくれる

マザーボード

 マザーボードにはH67チップセット搭載のASUSTeK製「P8H67-M PRO」を選んだ。理由は、Micro ATXフォームファクタでありながらPCI Express x16スロットが2本用意されていて、ビデオカード複数枚差しのCrossFire Xにも対応しているから。かつ、標準ではサポートされないPCIスロットも2本装備している。その他、ASMedia製コントローラ採用のUSB3.0×2なども備えているほか、I/O部のVGA出力には、HDMI/DVI-D/D-subの3系統が用意されており、様々な環境に対応可能となる。
 もちろん、候補となるモデルはこれだけではない。今回はマザーボードの予算に1万4000円を割いているが、この価格帯なら実に多様なモデルから選択が可能だ。価格を目安に好みのモデルを探すのもいいだろう。
 また、H67チップセットにはインテル「Quick Sync Video」機能が実装されている。これは動画のハードウェアデコードとハードウェアエンコードを実現するもので、動画変換の処理時間が飛躍的に短くなる。内蔵グラフィック機能を持たないP67チップセットには搭載されていない機能なだけに、これもH67チップセット搭載マザーを選んだひとつの要因となっている。

ASUSTeK製のMicro ATXマザー「P8H67-M PRO」。実にバランスのとれたスペックで、万人にお勧めできるH67チップセット搭載モデルだ。万が一の場合も含めて、ビデオカードなしでも運用可能という安心感に加え、将来的な拡張性も確保されている

現在H67搭載マザーボードではぶっちぎりの一番人気となっているASUSTeK製「P8H67-V」(実売約1万4000円)。ATXサイズのH67マザーというのが理由で、従来の売れない法則(VGA統合チップセットのATXモデル)を覆した一品である。これもひとえに、優れたハードウェアエンコード機能がもたらした結果かもしれない

メモリ/ストレージ

 予算に余裕ができたことから、まずメモリは8GBを確保したい。ここは、さくっと迷わずDDR3-1333 4GB×2枚セットを購入しておこう。
 問題となるのがストレージ。実はプランA、後述するプランBともに、SSDを導入するべきかどうかで非常に迷ったのだが、採用は見送った。意外に他のパーツ類で予算がかさんでしまったというのが主な原因だが、少し格好をつけた言い方をすると「SATA3.0にこだわりたい」というのも理由のひとつだ。
 早い話が「せっかくSATA3.0があるのだから、SSDはSATA3.0対応のCrucial製RealSSD C300シリーズじゃなければイヤだ!」ということ。よってSSDの採用は、次回の15万円コースに譲るとして、ここは至極まっとうに激安モデルとして人気のWesternDigital製3.5インチHDD「WD20EARS」(2TB)をチョイスした。

昨年から続く2TBの安売り(というかもはや通常価格だが)。他の容量を買うのがバカバカしくなるほどの価格設定で、迷ったらコレを買っておけば間違いない。余談ながらあるメディア関係者は「アキバに行ったら、とりあえず2TBはお土産に買っていきますよ、HDDはいくらあっても足りんですから!わははは」とのこと

光学ドライブ

 光学ドライブには、少し背伸びをしてBlu-ray読み書き対応のLGエレクトロニクス製「BH10NS30」を選んだ。「ミドルレンジ向けPC」である以上、読み込み専用でもOKかと思ったのが、スペック表を眺めて読み書き対応を選択した次第。無駄になるものでもないので、ここは思い切ってBlu-rayデビューといきたい。

Blu-ray読み書き対応のLG「BH10NS30」。アキバを探せば写真のように1万円割れでゲットすることも可能な人気モデル

ビデオカード

 ビデオカードには「Radeon HD 6850」搭載の製品を選んだ。割り当てた予算枠が約2万円ということで、このGPUを選択したわけだが、もちろんここにGeForceを始めとした他のGPUをもってきてもいい。いずれにせよ、ミドルレンジクラスのビデオカードを採用することで、いわゆるゲーミングマシンとしての役割も果たしてくれることになる。

現在は約1万9000円ほどで入手可能なMSI「R6850 Storm II 1G OC」。PWM対応90mmファンを搭載する2スロット占有デザインのオリジナル新型VGAクーラー「Storm II」を採用し、コア/メモリクロックは定格の775MHz/4000MHzから820MHz/4400MHzにオーバークロックされている

アプローチをまったく変え、既存モデルをあえて選択から外し、お買い得価格に下がっている旧モデルを狙うというのもオススメだ。Radeon、GeForceともに、かつてのハイエンドモデルが驚くほど安い値段で販売されていることも多いからだ

ケース/電源

 プランA最後のパーツとなるケース/電源部門。そもそも、なぜマザーボードにMicro ATXフォームファクタを選択したのかという点まで遡らねばならないが、それはPCケースにInWin製の「IW-BR661」をチョイスしたかったからだ。昨年開催された「COMPUTEX TAIPEI 2010」の同社ブースでは、一番目立つ特等席に「Dragon Slayer」という名前で展示されていたのを見て以来、非常に気になっていたケースだった。と、まぁ非常に筆者個人の意見が反映されているのだが、ここでは裏を返せばユーザー皆さんが気に入ったケースを選択しましょうということ。
 「IW-BR661」が、おあつらえ向きに販売価格も約8000円と、ギミックの割には非常にリーズナブルというのも選択した大きな理由なのだが、電源ユニットと合わせて予算配分を決定していきたい。

プランAのPCケースに採用したInWin「IW-BR661」。奇しくも5万円編とメーカーが被ってしまったが、特に理由はないのであしからず。「COMPUTEX TAIPEI 2010」取材中に実機を見てから発売が気になっていたモデルである。シャーシは0.6mm厚スチール製を採用。“甲冑をまとった中世の騎士を思わせるような個性的な外観”が特徴だ

Micro ATX専用のPCケース、もうひとつのオススメモデルとして挙げたいのはマスタードシード「JX-FM500B」である。特徴は、なんといってもフロントに計7基もの2.5/3.5インチSerial ATA対応ホットスワップベイを備えているところ。シャドウベイを加えると合計10基のドライブベイを装備している。実売価格は約1万3000円だ

 その電源ユニットだが、数ある中からあえてEnhance「EPS-1270(P)」(700W)を選択した。省電力規格の80PLUS SILVER認証を受けたハイエンド電源ユニットでありながら、価格は約1万2000円とリーズナブル。安定した電力供給は、パソコンを動かすうえで妥協できない重要なポイント。電源は価格優先では選びたくないカテゴリーであるため、あえて同モデルを候補に挙げさせてもらった。

サイズが販売するEnhance製ATX電源「EPS-1270(P)」。出力は700W。80PLUS SILVER認証のハイエンド電源ユニットで、ほぼ最安クラスといえる価格設定は魅力的。安定性と信頼性が問われるパーツだけに、あまり予算を削りたくない部分である

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中