ビジネスシーンでは図表のOCR対応が便利
ビジネス書類は基本的に文字中心で、時折イラストやグラフが挿入されるという体裁が多い。雑誌を問題なく取り込んでOCR検索できたことからもわかるように、ビジネス書類も難なく、デジタル化できる。その利便性はちょっと考えるだけでもわかるだろう。
それ以上に有用なのが、印刷された図表のスキャンだ。OCRにも対応しているため、面倒な手打ちをすることなくスキャンし、しかもそのままExcelのファイル形式に変換できる。特に数字のOCR精度は高く、ときおり項目欄を修正する程度で済むため、だいぶ効率よく作業を進められるだろう。
また名刺の管理も「ScanSnap」にお任せ。両面スキャンができる「ScanSnap」ならば、表裏に印刷された名刺もスルリと電子化できる。そして肝心の名刺管理も付属ソフト「名刺ファイリングOCR」があるので安心だ。
スキャンした名刺を「名刺ファイリングOCR」に登録すれば、名刺情報を自動でOCR処理してくれるので、必要な名刺を検索することも簡単だ。文字情報はここで修正できるものの、OCR精度が良いため、全面打ち直すような修正はほぼ必要ないだろう。
名刺整理に毎回時間をとられている、もしくはお目当ての名刺を探すのに膨大な時間をかけてしまった経験を持つ人には、これだけでも「ScanSnap」を買う価値があると断言できる。
必ず失くす家電の保証書やレシートは、電子化して一括保存
家庭でも「ScanSnap」の出番は多い。数年にわたって溜まる学校からの書類、イザというときに限って失くしている家電の保証書やレシートが電子化候補だ。
レシートをキチンと整理して家計簿をつけている人には、「S1100」に標準搭載されている、「やさしく家計簿 エントリー for ScanSnap」を活用すると良いだろう(「S1500」と「S1300」用については、PFUのホームページよりダウンロード可能)。
今まで家計簿を付けていた手間や時間を最小限に抑えることができ、その分時間を有効活用できること間違いなしだ。
また、観音開きになっている細長い書類の取り込みもOKなので、変形判型の多いパンフレットのコレクターにも安心だ。
なお「S1100」のみの機能として、社員証やポイントカードといった厚みのあるカード類のスキャンが可能だ。省スペースとモバイル性を重視している「S1100」だが、この手のカードをスキャンしたい場合は、ファーストチョイスになるだろう。
スキャンと管理をこなす「ScanSnap」で快適になろう!
昨今の自炊ブームによって、“自炊ユーザーご用達アイテム”として注目されている「ScanSnap」だが、これまで見てきたように、決して電子書籍の作成のみに特化した製品ではない。
本来の用途であるビジネス文書や名刺を電子化するオフィス用途、さらにレシートやはがきの電子化といった家庭内での用途にも十分応えてくれる万能スキャナーだ。
また、優れているのはハードウェア性能だけではない。「楽2ライブラリ パーソナル」を使えばスキャンデータの管理を一元化できるため、「ScanSnap」ひとつを導入するだけで、スムーズに電子化を進めていける。
そして本や書類だけでなく、横に長いパンフレットのようなものにまで対応するので、身の回りにある大半の印刷物を電子化できるのだ。お気に入りの本は本棚へ、たまに見る程度のものは電子化するといった自己ルールを用意できたら、次はぜひとも「ScanSnap」を導入してもらいたい。