携帯電話の2台持ちは高いというイメージがあるが、ウィルコムの「だれとでも定額」を使えば、端末を増やしても料金を下げられる可能性がある。今回は昨年秋に一部地域でスタートした試験サービス時から利用していたK氏とS氏に、実際にどのくらい節約できたかについて詳しく聞いた。
スマートフォン1台持ちで発生する不満点とは?
以前は携帯電話の2台持ちというと、仕事用と個人用で使い分けるというケースが多かった。しかし最近は事情が変わりつつある。通話用のケータイとスマートフォンの2台を持ち歩くというユーザーが増えてきているのだ。
理由はいくつか考えられるが、もっとも注目してほしいのはスマートフォンのバッテリ駆動時間の短さにある。
スマートフォンを便利に活用すればするほど、バッテリ駆動時間の短さに直面する。機種によってはバッテリが1日も持たないというケースもある。1台持ちでバッテリが切れてしまったのでは音声通話すら不可能になるので、特に仕事で使っているケースで大きな支障が生じる。もちろんバッテリを意識しながらスマートフォンを使うという方法もあるが、せっかく便利なデバイスを持ち歩いているのにそれではあまりに悲しい。
一方最近の一般的なケータイは音声の待受が中心であれば、数日程度は充電しなくとも使い続けられる。そこでスマートフォンとは別に携帯電話を持ち歩き、データ通信と音声通話で端末を使い分けようというわけだ。
音声端末とスマートフォンの2台持ちは、必ずしも料金は2倍ではない
「だれとでも定額」との組み合わせでは安くなるケースも
ただ、2台の端末を使うというと気になるのは当然ながら料金である。基本使用料が2台分なるため、高額になってしまうことも考えられる。しかし、音声端末側のキャリア/サービスを賢く選ぶことで、1台持ちのときと変わらない料金、あるいはそれよりも安い値段で2台持ちを実現できる。
そこで2台持ちの端末として、注目してほしいのがウィルコムの「だれとでも定額」である。これは発信先に関わらず、10分までの通話が500回分無料という驚きのサービスだ。
これまでの携帯電話の通話プランでも、同じキャリア同士であれば無料というサービスはあった。しかし、だれとでも定額は相手先の通信会社を問わない点がそれらと大きく異なる。もちろん固定電話への通話も対象だ。このため、1回の通話10分以内で1ヵ月あたり500回以下の通話回数であれば、基本料金+オプション月額料の980円の定額で発信可能になる。
K氏は2万5000円前後だった通話料を半額以下に削減
このだれとでも定額を大いに利用し、通話料の大幅ダウンを実現したのが、最近独立して起業したK氏だ。携帯電話などには元々興味があったとのことで、ウィルコムが試験的なサービスとして「だれとでも定額」を始めたときからその存在を知っており、仕事で出張した北海道で契約したのだという。
K氏は基本的には1人でコンサルタント業を営んでいるため、顧客との連絡に携帯電話が欠かせない。顧客からの電話も頻繁にかかってくるため、留守番電話サービスへの通話料もかなり支払っているとのことだ。実際の金額としては、一般的な携帯電話を利用していた時代の毎月料金はおおよそ2万5000円程度。これにはパケット代も含まれているため、それを除いた場合は2万円前後だという。
顧客に対して無駄なコストを省くアドバイスをしていることも多いというK氏は、「だれとでも定額」の存在を知り、これは魅力的なサービスだと直感したのだという。
一方、K氏はそれまで使っていた携帯電話を機種変更し、前々から欲しいと考えていたiPhone 4を入手している。つまりウィルコムとスマートフォンの2台持ちを実践したわけだ。さらに注目したいのは、機種変更でスマートフォンを手に入れているという部分。
以前の番号はスマートフォンに割り当てられるため、その番号宛にかかってきた電話もしっかり着信できる。電話を取り逃せばビジネスに影響を与えかねないことを考えると、従来の番号をそのまま所有できる利点は大きい。一方、電話をする場合はウィルコム端末から行ない、顧客にも新しい番号を教えている。
以前から欲しかったiPhone 4も使い始めたのに
月々の支払は逆に安くなった
そうして実際に1ヵ月利用し、通話料金の明細を見てK氏は驚くことになる。ウィルコムからの請求額が6000円ほどだったからだ。もちろん発信回数が減ったわけではく、実際に250回以上発信している。それでも従来2万円近く払っていた通話料が、6000円以下にまで大幅に下がったのである。とてもではないが、1日10回近く発信している人の携帯電話の通話料とは思えないだろう。
ちなみに具体的な内訳は以下のとおりだ。
基本料金(新ウィルコム定額プランS):1450円
だれとでも定額:980円
留守番電話サービス:105円
ウィルコムあんしんサポート:315円
通話料:約1500円
留守番電話録音料+再生料:約1300円
合計:約5700円
パケット代はほとんど発生していないが、これは機種変更で入手したiPhone 4で各種のネットサービスを利用しているため。ちなみにiPhone 4の月額利用料を加えても、1ヵ月あたりの利用料は1万円を少々オーバーする程度。2台持ちになったにもかかわらず、料金は半分以下に抑えられているわけだ。
この事例を見ると、だれとでも定額とスマートフォンとの組み合わせは、現状で大変有力な選択肢だということがわかるだろう。
月々の通話料が8000円近く安くなったS氏
もう1人、だれとでも定額で通話料の大幅な削減を実現したのが仙台在住の司法書士のS氏である。K氏と同様に個人で動く仕事柄、携帯電話で発信する機会が多く、通話料として毎月2万円前後を支払っていた。
そんなS氏が住む宮城県も昨年秋に試験的に「だれとでも定額」が先行してスタートしたエリアだ。携帯電話の通話料が高いと感じていたこともあり、即座にウィルコムの音声端末を入手したというわけだ。
このS氏の場合も、「だれとでも定額」がもたらしたインパクトは大きかった。11月にウィルコムに支払った料金はわずか5500円。師走ということで通話する機会が増えた12月分の料金も6000円である。
ちなみにS氏は着信用としてそれまでの携帯電話も持ち続けているが、こちらも発信する機会が大幅に減ったことから、毎月の利用料金は6000円にまで下がっている。両者を合計しても1万2000円程度で、それまでの携帯電話1台持ちの時代よりも8000円近く安い。つまり2台持ちにもかかわらず、「だれとでも定額」を利用することで、携帯電話に関する大幅なコストダウンを実現しているのである。
ここまで紹介してきた実際の事例からも分かるとおり、だれとでも定額を利用すれば2台持ちでも大幅に通話料を下げられる可能性がある。ぜひこの「だれとでも定額」を利用し、ウィルコムの音声端末とスマートフォンの2台持ちという、快適で経済的な環境を実現してほしい。