日本通信は同社が販売しているAndroidスマートフォン「IDEOS」向けに、IP電話サービスを1月28日に開始することを発表した。
実際の利用にはIDEOSのほかに、IDEOS用のSIMである「b-mobileSIM U300 for IDEOS」との組み合わせが必要(IP電話を無線LANでのみ利用する場合は必須ではない)。月額基本料は490円で、日本国内向けの通話料は10円/30秒。月額基本料には300円分(最大15分間)の無料通話分も含まれる。同社では主要3大携帯キャリアのベーシックなプランと比較して、月額基本料/国内通話料ともに「半額以下」であることをアピールしている。
なお、電話番号は「050」から始まるものがユーザーごとに割り当てられる。IDEOS上ではAndroid標準の電話アプリと完全に統合されており、ユーザーからはIP電話であることをまったく意識せずに通話できるほか、Androidマーケットなどで提供されている追加のアドレス帳アプリなどからも問題なく利用できる。国内では3G/無線LANの両方で、海外からは無線LANを用いた通話が可能。
会見で説明を行なった、日本通信の代表取締役専務 福田尚久氏は「2010年はスマートフォンの年だった」とする一方で、日本のスマートフォンは(販売奨励金などで見た目の価格は抑えられているとはいえ)高価格帯のプレミアムモデルばかりだったことを指摘。そこで「われわれは携帯電話より安いスマートフォンを提供したいと考えている」とした。
具体的にはb-mobileSIM U300 for IDEOSは、7ヵ月パッケージで1万4900円で提供されている。これは月額換算にすると2128円。ここに月額基本料の490円をプラスしても、月2618円で収まる。もちろんb-mobileSIM U300は上下約300kbpsの速度制限があり、音声通話も「050」でスタートする電話番号となってしまうが、料金自体は非常に低廉であることは間違いない。
今回はIDEOS+専用SIMの組み合わせという、限定された環境でのサービス提供となったが、これについては現時点での技術的な制約があるためのようだ。たとえば通常の3G回線でIPアドレスが頻繁に変更されると、そのたびにサーバーへの登録などの通信が必要となり、結果としてバッテリの消耗が激しくなる。IDEOS専用SIMでは、3G通信で端末からのセッションが切れた場合でも、一定時間は同じIPアドレスを再度割り振るなどの仕組みが盛り込まれており、確実な待受やバッテリ駆動時間を確保しているという。
とはいえ、今後もIDEOSのみにIP電話サービスが限定されるわけではなく、他のAndroid端末や通信環境についても、ソフトウェアの改善により、今後サポートしていきたいとした。また、現在同社から専用SIMが提供されているSIMフリー版iPhoneについては、「現在はAndroidにフォーカスしている」としつつも、同社のパートナー企業から提供される可能性について示唆された。