このページの本文へ

グルーポンに強敵!新ジオサービス「Yahoo!ロコ」

2011年01月21日 12時00分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

新サービスを発表するヤフー取締役COOの喜多埜裕明氏

 ヤフーがジオサービスに本格参入する。既存の「地図」「グルメ」「道路交通情報」「電話帳」などの地域情報を扱うサービスを4月から新サービスYahoo!ロコに統合。ユーザーの現在地などに関連した情報を一括して得られるようにするとともに、飲食店などの店舗情報を無償または有償で掲載する。

 サービス開始時点で「月間2600万人、17億PVを見込む」という圧倒的な集客力で掲載店舗を募り、「ぐるなび」などのクーポンサイトや「グルーポン」に代表される共同購入サイトに対抗する構えだ。

地域情報系サービスを統合した「Yahoo!ロコ」

既存サービスを統合、圧倒的集客力で差別化

 同種のジオサービスはグーグルがすでに「Googleプレイス」として展開しているが、「ロコ」はヤフーが自前で持つ豊富なコンテンツを統合しているのが特徴だ。道路交通情報やグルメなどの情報をまとめて見られれば、ユーザーにとっても利便性は高い。

 一方、店舗経営者にとってのメリットは、低廉なコストでWebを使った集客・販促が打てることにある。店舗がロコに登録すると「ロコ プレイス」と呼ばれる店舗専用のホームページを開設でき、ロコやYahoo!検索(Web検索)からの誘導が得られる。プレイスに掲載する情報に制限はなく、自社サイトへのリンクも自由だ。デザインテンプレートは200種類あり、携帯電話やスマートフォン向けのページも自動的に作成される。

ロコ プレイスへの誘導イメージ。ロコ プレイスは店舗の情報を自由に掲載できるホームページで、スマートフォンへも対応する

 「キープ」と呼ばれる機能で店舗からユーザーへアプローチできるのも魅力だ。「キープ」とはユーザーが気に入った場所や店舗を“お気に入り”する機能で、店舗側は自店舗をキープしてくれたユーザーに対してお買い得情報などをメールで送信できる。「従来は駅前でチラシを配ったり看板を出したりするしかなかったが、携帯電話やスマートフォンユーザーに対してタイムリーに、プッシュでお知らせできる」(ヤフー取締役COOの喜多埜裕明氏)

ユーザーに対して店舗側から情報発信できる仕組みも「ロコ」の特徴だ

 Webを使った店舗販促は「ぐるなび」やリクルートの「ホットペッパー」がしのぎを削る分野だが、最近ではグルーポンに代表される共同購入サイトも勢力を伸ばしている。ロコの利用は更新回数などに制限がある「エントリープラン」が無料、有償版のスタンダードプランは年間3万6000円〜(飲食店は別途コール課金あり)で、年間数万~数十万円とされるクーポンサイトの加盟料や、3割〜5割の成功報酬をとる共同購入サイトに比べても店舗側の利用障壁は低い。

 ヤフーは今月20日から、代理店経由でロコの営業を開始している。店舗情報の充実がユーザーの利便促進にもつながるだけに、圧倒的な「集客力」と「無料」で短期間にどれだけ店舗数を集められるかが注目されそうだ。

■関連サイト

Web Professionalトップへ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています