本体のみで電子書籍が買える読書専用端末(海外メーカー)
日本向けストアはいつ開始!? アマゾンの「Kindle」
米国最大手のオンライン通販サイト「Amazon.com」が販売している電子書籍端末が「Kindle」シリーズだ。
同社は2007年11月に第1世代を、2009年に第2世代の端末をリリース。現在は、2009年に登場した大型ディスプレーの「Kindle DX」と、2010年8月発売の第3世代(通称「Kindle 3」)が日本からも購入可能だ。
Kindleシリーズは基本的に通信機能として3G通信/無線LANの両方を備えているが、Kindle 3には無線LANのみの「Wi-Fi」モデルが用意されている。
Kindleがスゴいのは、端末から直接、電子書籍ストア「Kindle Store」にアクセスしてコンテンツを買える点。別途契約しなくても、AT&Tの国際ローミング網を通じ、日本など100ヵ国から無料でアクセスできる。ディスプレーにはE Ink製の電子ペーパーを採用しているため文字はくっきり、バッテリーも長持ちする。ただし、前ページのReaderと違いタッチパネルには対応しておらず、本体前面下に用意されたボタンで操作する。
ただ、日本での利用は難しいところも多い。端末自体は、米国外でもAmazon.comから購入できるが、日本語対応のKindle Storeは用意されていない。米国のストアでは日本語の書籍は皆無に近いため、手持ちの本をスキャンしたPDFを読む用途に使われていることが多い。メニューなどは基本的に英語のままだが、Kindle 3でようやくPDF/テキスト/ウェブページといったコンテンツに限って日本語表示が可能になった。
日本向けKindle Storeの開始は何度もウワサされている。3G回線を通じていつでもどこでも日本語の書籍が買えるようになれば一般にも一気に広まる可能性がある。ダークホースとして注目しておきたい。
Kindle Wi-Fi | Kindle 3G + Wi-Fi | Kindle DX | |
---|---|---|---|
価格 | 139ドル(約1万2000円) | 189ドル(約1万6000円) | 379ドル(約3万2000円) |
画面方式 | 電子ペーパー | ||
画面サイズ(解像度) | 6インチ(600×800ドット) | 9.7インチ(824×1200ドット) | |
内蔵メモリー容量 | 約3GB | ||
通信機能 | IEEE 802.11b/g/n | 3G、IEEE 802.11b/g/n | |
メモリースロット | なし | ||
バッテリー駆動時間 | 3週間(無線オン時) | 10日間(無線オン時) | 7日間(無線オン時) |
対応ファイル形式 | Kindle(AMZ)、PDF、テキスト、MOBI、PRCなど | ||
電子書籍ストア | Kindle Store | ||
本体サイズ/重量 | 幅約123×奥行き8.5×高さ190mm/約241g | 幅約123×奥行き8.5×高さ190mm/約247g | 幅約183×奥行き9.7×高さ264mm/約536g |
※価格は1ドル85円換算。
ケータイ感覚で使える読書専用端末(ケータイキャリア)
ドコモ版GALAPAGOS「ブックリーダー」
日本では電機メーカーのほか、ケータイキャリアも電子書籍に力を入れている。
「ブックリーダー SH-07C」は、NTTドコモは21日に発売したシャープ製の電子書籍端末だ。GALAPAGOSの5.5インチモデルをベースにしているが、こちらは無線LANに加えて3G通信にも対応しているのが特徴だ。
電子書籍ストアは、GALAPAGOS向けにも提供されている「TSUTAYA GALAPAGOS」と、ドコモがスマートフォン向けに始めた「2Dfacto」の2種類が利用可能だ。TSUTAYA GALAPAGOSでは、新聞や雑誌の定期購読を申し込むと自動的に配信されるが、3G回線を備えたブックリーダーなら無線LANより広い範囲で受け取れる。
料金プランは独自のものを用意せず、データ端末向けの既存プランに申し込む。月額の料金は「定額データプラン」に2年契約である「定額データスタンダード割」を付けると1000〜5985円の間だ。
ブックリーダー SH-07C | |
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実売価格 | 2万円台後半 |
画面方式 | マルチタッチ対応液晶ディスプレー |
画面サイズ(解像度) | 5.5インチ(600×1024ドット) |
内蔵メモリー容量 | なし(システム用のみ) |
通信機能 | IEEE 802.11b/g |
メモリースロット | microSDHC(最大32GB) |
バッテリー駆動時間 | 約340分(3Gオフ時) |
対応ファイル形式 | XMDF、.book、PDF、テキストなど |
電子書籍ストア | TSUTAYA GALAPAGOS、2Dfacto |
本体サイズ/重量 | 幅約92×奥行き13.1×高さ167mm/約249g |
auの3G回線で書籍を買える「biblio Leaf SP02」
KDDIが12月25日に発表したのが、台湾・FOXXCONの電子書籍端末「biblio Leaf SP02」だ。
3G/無線LANに対応し、専用プランに契約すれば、いつでも電子書籍をダウンロード購入できるのが特徴。通信料は2年契約「誰でも割シングル (特定機器) 」に申し込めば月525円で済む(非契約時は1575円)。実売価格も1万円台半ばで、電子書籍端末としては安価だ。
表示デバイスには電子ペーパーを採用。付属のスタイラスペンでタッチするほか、本体前面下のボタンで操作できる。電子書籍ストアは「LISMO Book Store」で、ソニーのReaderと同じブックリスタが提供している。
USBケーブルでつないでパソコンからXMDF/PDF/EPUBのファイルを転送して読むこともできるが、どちらかと言えば気が向いたときストアにつなぎ、日本語の書籍を買って読むというスタイルに向いているだろう。
biblio Leaf SP02 | |
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実売価格 | 1万円台半ば |
画面方式 | タッチペン対応電子ペーパー |
画面サイズ(解像度) | 6インチ(600×800ドット) |
内蔵メモリー容量 | 約2GB |
通信機能 | 3G、IEEE 802.11b/g/n |
メモリースロット | microSDHCカード(32GB) |
バッテリー駆動時間 | 最長1万3000ページ(無線オフ時) |
対応ファイル形式 | XMDF、PDF、EPUB |
電子書籍ストア | LISMO Book Store |
本体サイズ/重量 | 幅約129×奥行き9.8×高さ198mm/約282g |
といった形で、今回は電子ブックリーダー注目機種の特徴をざっと振り返った。特集後半では、キャリアやサービスなどについてまとめていく。
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