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電子書籍を選ぶ前に知っておきたい5つのこと 第2回

特徴は?値段は?電子ブックリーダー選びのコツ!

2011年01月25日 12時00分更新

文● 広田稔

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日本の書籍が読みやすい読書専用端末(国内メーカー)

雑誌や新聞を自動配信できる「GALAPAGOS」

 タブレット端末はここまで。ここからは読書を目的とした専用端末を紹介しよう。

 初めは「GALAPAGOS」。シャープが12月10日に発売した製品で、液晶ディスプレーのサイズが5.5/10.8インチと異なる2モデルを用意する(ニュース記事)。ともに無線LANを内蔵し、本体のみでインターネットにつないで直接、電子書籍を購入できる。

左が5.5インチのモバイルモデルで、文字通り出先や電車での利用を想定している。右が10.8インチのホームモデルで、こちらは雑誌などを家でゆったり見るのにぴったりだ

 液晶ディスプレーはマルチタッチに対応しており、画面をなぞってページをめくったり、指で文字を拡大縮小できる。5.5インチモデルは画面下にトラックボールがついているため、電車内などで片手で持っていてもページ送りがしやすい。読書用の端末はモノクロが多い中、カラーディスプレーを採用し、雑誌の図版などもきれいに表示してくれる。

 利用できる電子書籍ストアは、シャープとカルチュア・コンビニエンス・クラブの合弁会社が提供する「TSUTAYA GALAPAGOS」。書籍だけでなく、「日本経済新聞 電子版」「週刊ダイヤモンド Digital」といったビジネス系の新聞や雑誌を取り揃えているのが特徴だ。無線LANの圏内にGALAPAGOSを置いておけば、新聞や雑誌を発行日に自動でダウンロードしてくれるという便利機能もある。また電子書籍以外にも、ウェブブラウザーやメール、ミニゲームといったソフトも用意している。

「TSUTAYA GALAPAGOS」のトップ画面。新刊などが並ぶ特設エリア以外に、ビジネス書・雑誌を扱う「丸の内」、女性誌やファッション誌が中心な「白金」、文芸書がメインの「神田」といった3つのスクエアを用意し、ニーズに合わせて本を探せるようになっている

5.5インチモデルで日本経済新聞 電子版のサンプルを開いたところ

10.8インチモデルで雑誌を開いたところ

モバイルモデル
EB-W51GJ-R/-S
ホームモデル
EB-WX1GJ-B
価格 3万9800円 5万4800円
画面方式 マルチタッチ対応液晶ディスプレー
画面サイズ(解像度) 5.5インチ(600×1024ドット) 10.8インチ(800×1366ドット)
内蔵メモリー容量 なし(システム用のみ)
通信機能 IEEE 802.11b/g
メモリースロット microSDHC(最大32GB)
バッテリー駆動時間 最長7時間(省エネモード利用時) 最長10.5時間(省エネモード利用時)
対応ファイル形式 XMDF、PDF、テキスト
電子書籍ストア TSUTAYA GALAPAGOS
本体サイズ/重量 幅約92×奥行き12.9×高さ167mm/約220g 幅約177×奥行き14.7×高さ286mm/約765g

電子ペーパーで文字をすっきり表示「Reader」

ソニー「Reader」(5インチ)

 ソニーの電子書籍端末「Reader」は、GALAPAGOSと同じ12月10日に発売された。ラインナップは5/6インチの2種類(レビュー記事)。

 5インチモデルは、本体サイズが幅約104.3×高さ145×奥行8.5mmと文庫本(幅105×高さ148)に近く、重量も約155gと軽いので持ち運びやすい。6インチモデルのみメモリースティックDuo/SDHCのカードスロットを備えている。電子書籍端末としては安価で、5インチモデルは2万円を割るという低価格さもポイントだ。

 一番の特徴は、E Ink製の電子ペーパーを表示デバイスに採用する点。普通の紙と同じで太陽や蛍光灯の光を反射して表示するため、直射日光が当たる屋外でも読みやすい。特に文字のみの小説や新書を読むのにぴったりだ。

 画面の裏側から光を出さないため、液晶ディスプレーより目への負担が少ないと言われている。画面を書き換えるときにだけ電力を消費するので、バッテリーも長持ちする。Readerでは、連続で1万ページまで閲覧可能という。

タッチパネルは指かペンで操作する

ストアは文学系が強めの印象。詳しくはレビュー記事で

 デメリットは画面がグレースケールで16階調しか表示できないため、イラストなどは精細さが落ちること。暗闇で見られないのも用途によっては不便かもしれない。電子ペーパーは液晶ディスプレーに比べると画面の書き換えが遅く、ページめくりや画面の拡大/縮小のときにわずかに待たされることも挙げられる。なお、操作は付属のタッチペンや指で画面を触るほか、本体前面下にあるボタンも利用可能だ。

 電子書籍ストアは「Reader Store」を用意。ソニー/凸版印刷/KDDI/朝日新聞社の4社で共同設立したブックリスタが提供するサービスだ。2製品とも端末自体は通信機能を備えていないので、パソコンで電子書籍を買ってUSBケーブルで転送することになる。

Pocket Edition
PRS-350
Touch Edition
PRS-650
価格 オープン(直販価格1万9800円) オープン(直販価格2万4800円)
画面方式 タッチパネル対応電子ペーパー
画面サイズ(解像度) 5インチ(600×800ドット) 6インチ(600×800ドット)
内蔵メモリー容量 約1.4GB
通信機能 なし
メモリースロット なし メモリースティックDuo/SDHC
バッテリー駆動時間 約1万ページ
対応ファイル形式 XMDF、EPUB、PDF、テキスト、JPEGなど
電子書籍ストア Reader Store
本体サイズ/重量 約幅104.3×奥行き8.5×高さ145mm/約155g 約幅118.8×奥行き9.6×高さ168mm/約215g


(次ページに続く)



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