初夢は「一富士二鷹三茄子」が縁起がいいと言うが、新年にふさわしくナス(NAS、Network Attached Storage)のレビューをお届けしよう。今回紹介するのはQNAPの「TS-219P+ Turbo NAS」、ホームからSOHO規模での利用を想定した多機能な製品だ。
ホットスワップ可能
本格的な2ドライブ構成NASケース
2004年に設立されて以来、快調な伸びを見せるNAS・NVR(Network Video Recorder)専業メーカーが、台湾に本拠を置くQNAP社である。同社ではラックマウント対応の業務用の8ベイNASから、ホーム/SOHO規模のネットワークに対応する1ドライブ製品まで、多数のNASケースをラインアップする。今回のTS-219P+は、2ドライブベイの最新機種となる。
ヘアライン加工された金属カバーで全体が覆われ、HDDをセットしない状態でもずっしりと重く堅牢だ。前面はドライブベイ開閉レバーが2つ並んだ外観で、その左にインジケータランプ、電源スイッチなどが並ぶ。業務用NASでは、ドライブベイにロック機構を設けるものも珍しくないが、TS-219P+にはそのような構造はない。そのため、動作状況に関わらずベイ開閉が可能である。家庭/SOHO向けといっても、子供の手が触れないような場所に置くのがいいだろう。
背面には直径7cmの空冷ファンと、eSATAコネクター、1000BASE-T対応LANコネクター、USB2.0×2、電源コネクターが配されている。左側面には吸気孔があるが、右側面は特に何もない。底面には4つのゴム足がある。余計な振動を抑えるためのものなので、基本的に設置方向は縦置きと考えられる。
ベイ部分を取り外してみる。ベイシャーシには3.5インチSATA HDDか、2.5インチSATA HDDの両ドライブに対応する取り付けねじ孔が開けられている。理屈では3.5+2.5インチHDDの構成も可能だが、RAID構成を念頭に置く場合は、ディスク回転数やヘッドシークタイムなどが等しい同機種同容量のHDDで揃えるべきだろう。
なお、ベイスロットから内部を覗くと、まるでパソコンの内部のような精緻な電子基板が見える。現在のNASシステムは、ほとんどがLinuxベースで動くのが珍しくないのだが、TS-219P+の仕様は、CPUにMarvell 6282(1.6GHz)、メモリー512MB、システム収納用のフラッシュメモリー16MBを搭載するなど、なかなか豪華な作りといえる。
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