IDEOSのデザイン面における特徴は、手のひらに収まるコンパクトサイズと100gという軽量性だ。そして機能面での特徴は、IDEOS自身を「モバイルWi-Fiアクセスポイント」に変身させる「テザリング」(tethering)機能にある。
テザリング機能では、IDEOSが3Gモデムの役割を演じ、モバイルPCなどの3Gネット接続を実現する。モバイルWi-Fiアクセスポイントとして利用する場合であれば、IDEOSの無線LAN機能(IEEE 802.11b/g対応)を介することで、Wi-Fi対応各種クライアントをインターネットに接続可能だ。フューチャーフォン/ガラケーの枠を超えたスマートフォンならではの活用範囲のためか、キャリアによっては追加料金が発生する場合が多いが、IDEOSの場合はプリペイドSIMの料金だけで機能のすべてを実現できる。
購入後約2週間が経過したIDEOSの印象は、今までにはなかった魅力的なスマートフォンというものだ。10日間の定額使い放題期間が終了しそうになったので、IDEOSでb-MARKETにアクセスし、6ヵ月間のプリペイド契約を行なった。今なら、6ヵ月の延長契約で215日(約7ヵ月:1万4900円)の利用が可能。なんと1ヵ月当たりたった2129円で、“定額パケホーダイ”となっているだ。
IDEOSは、ドングリの背比べのように、いつまでも繰り返し同じ競争ばかりしている国内ケータイキャリアの足下をすくうビジネスかもしれない。国内では有名無実な「MVNO」という言葉の意味を久しぶりに感じさせてくれた、爽快なビジネスのひとつだ。
ただし、b-mobileによる低価格&縛り期間のないスマートさが身上とはいえ、IDEOSは最新の高機能Androidケータイと比較するとそのハードウェアスペックは遠慮がちだ。また、月2000円少々の出費で使用時間無制限のパケホーダイではあるものの、ベストエフォートで上下“300kbps以上”という通信環境を理解した上での大人の対応が必要となる。
このため、多くのスマートフォン指向のユーザーに勧められるスマートフォンではないが、すべての人がケータイでの動画再生や、パソコン同様の精細なブラウジングを望んでいるわけではないはずだ。
筆者は、IDEOSをGoogleクラウドを活用したメールやスケジュール管理、TwitterやEvernote、レストラン検索などに活用しているが不満はない。それゆえ、b-mobileが1月中旬開始予定とするモバイルIP電話サービス(050ベース)にも期待している。Androidケータイはこれからも目が離せない。出てこい! 日本のケータイを面白くする企業たちよ!

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