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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第25回

4K2Kや3D、ネットワーク機能の強化で、TVがさらに進化!!

テレビの価格下落がない!? 2011年を大胆予測!

2011年01月12日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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テレビの新しいスタイルとなるか?
インターネットTVがますます本格化

「Google TV」こと、「Sony Internet TV」

「Google TV」こと、「Sony Internet TV」

 今や薄型テレビの基本機能となりつつあるネットワーク機能がますます本格化するのも、今年のテレビの大きな話題となるだろう。

 ソニーが発表した「Google TV」をはじめ、PCやスマートフォンに近い性能を備えたテレビが各社から本格的に登場しそうだ。Google TVのほか、シャープや東芝も動画配信やSNSサービスを利用できる機能をテレビに内蔵するなど、従来のネットワーク機能がさらに一段階進歩するだろう。

 これに合わせて、スマートフォン連携も加速する。スマートフォンのアプリを追加することで、タッチパネルによる快適なリモート操作を実現する機能がますます加速しそうである。

「VIERA Tablet」(左)と「VIERA Connect」の動作イメージ図(右)

 最も先進的なのがパナソニックの「VIERA Connect」。同時に発表されたタブレット型のAndroid端末「VIERA Tablet」と連携し、テレビ操作どころか、さまざまなデジタル家電や健康器具と連携し、より多彩なサービスを実現するものだ。

 このほかのネットワーク機能で筆者が気になったのが、国内ではGガイド方式番組表の開発メーカーとして知られるRovi社の「Rovi Media Cloud」。これは、テレビ番組表の表示や検索機能に加え、多彩な動画配信サービスとも連携した検索・データベース機能を備えるもの。

 例えば、番組表で見つけた映画に関わる監督や俳優が出演する、別の作品を動画配信サービスから探すことができる。現在の動画配信サービスだと、番組表との連携もできないし、タイトルの検索はサービスごとにそれぞれ行なう必要がある。

 正直なところ、膨大に揃ったタイトルから見たいソフトを探すのは面倒で、結局は最新のラインナップや人気作品を時々見る程度になりがちだ。Rovi Media Cloudなら、そうしたタイトル検索が不要になり、動画配信サービスをより活用しやすくなると思われる。

 すでにサムスンでは搭載テレビを発売する予定となっているが、国内メーカーにも搭載が期待されるし、各社ともこうした機能を何らかの形で盛り込むことは検討しているものと思われる。

 ここでちょっと気になるのは、コンテンツホルダーの動きが緩慢なこと。テレビ放送局による放送コンテンツのIP再送信はまだまだ実験的な段階だし、そもそも積極的にインターネットを活用した放送サービスに乗り気でないように感じる。

 そんなことをしている間に、テレビで見られるコンテンツは動画配信やパッケージソフト、あるいはゲームだけになり、そもそも放送など誰も見なくなる時代が来るかもしれない。

国内のテレビが多く対応している「アクトビラ」

国内のテレビが多く対応している「アクトビラ」

 また、パッケージソフトの販売元も、動画配信サービスに積極的とは感じられない部分がある。たとえば、DVDソフトなら1000円程度で音声も5.1chなのに、動画配信だとレンタルなら数百円だが、購入するとやはり1000円程度で、しかも音声がステレオ収録ということが多い。

 筆者は、これならばパッケージソフトを買う方がお得と考える。ソフトの供給元がこれでは動画配信サービスが普及するはずがない。動画配信などの環境が急速に整ってきているのだから、コンテンツホルダーの積極的な動きにも期待したいところだ。

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