鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第25回
4K2Kや3D、ネットワーク機能の強化で、TVがさらに進化!!
テレビの価格下落がない!? 2011年を大胆予測!
2011年01月12日 12時00分更新
3Dテレビには超低価格モデルが出てくる!?
まずは、昨年登場した3Dテレビ。高画質テレビの代表として今年も各社が製品を投入するだろう。左右の映像が混じってしまう“クロストーク”の低減技術についても、各社がさまざまな方式で対策しており、より見やすく、立体感の豊かな3D映像が楽しめるようになるはず。
注目なのは、東芝が12月に発売した「グラスレス3D」。東芝では40型以上の大画面のグラスレス3Dテレビの発売を宣言しているし、ソニーやシャープなどもグラスレス3Dテレビの試作品を発表している。
いわゆる“裸眼3D”は、解像度や視野角などの制限があり、トータルの画質としても一般的なメガネ式の3Dより劣る現状だ。しかし、3Dテレビの本命であることは間違いなく、参入メーカーが増えることで画質向上が一気に進むだろう。ただし、まだまだ発展途上の製品であり、価格は高めになるだろう。
一般的なメガネをかけるタイプの3Dテレビでは、現在主流の“アクティブシャッター式”の3Dメガネではなく、“偏光式”の3Dメガネを使うものが新しい話題だ。
偏光式の3Dテレビは、パネルの水平方向のラインごとに左右の映像を表示し、パネル前面の偏光フィルターで表示ラインごとに偏光角を変えて表示する。そして、左右で角度の異なる偏光レンズを備えたメガネをかけることで、左/右の映像が分離されて目に届く。
そのメリットは、左右の映像を切り換える必要がないので、映像のチラツキが少なく目に優しいことなどがある。
一方でデメリットは、タテ方向の解像度が半分に減るのでフルHD解像度にはならないこと。さらにテレビ放送などで採用される“サイド・バイ・サイド方式”は、ヨコ方向の解像度が半分しかないので、偏光式の3Dテレビで見ると解像度がフルHDの1/4になってしまう。
そういった弱点はあるものの、メガネの電源が不要で、コストも数百円以下まで安くできること、3Dテレビとしても4倍速表示など、高コストなパネルを使わずに実現できることなど、低価格化のメリットがあるので普及価格帯の3Dテレビとして登場する可能性はある。
4K2Kテレビにも期待大
そんな偏光式の3Dテレビの解像度的な弱点を補うのが、“4K2K”テレビだ。これは、およそ4000×2000ドットの超高解像度パネルを使用したテレビの俗称で、単純にフルハイビジョンの4倍の情報量を再現できる。
こうした高解像度パネルなら、偏光式の3Dで解像度が1/4になってもフルハイビジョンの情報量を維持できるというわけだ。
もちろん、2D映像の高画質化も期待できる。“超解像技術”などにより、ハイビジョン映像をより高画質で再現できることが主たる目的となる。また、利便性の高い機能としても、フルハイビジョン映像の4画面表示や、テレビ画面とインターネット画面の同時表示などを、より高精細で行なえるといったメリットもある。
4K2Kテレビも、発売を予定しているメーカーは少なくない。これが偏光式の3Dテレビとなるのか、従来通りアクティブシャッター式の3Dメガネ方式となるのかは各メーカー次第だが、次世代の高画質テレビとして4K2Kテレビと3Dテレビが大きな牽引役となるのは間違いないだろう。
ユニークなところでは、ビクターが試作品を発表した「シネスコテレビ」がある。これは、映画ソフトに多い16:9よりも、さらに横に長いシネスコサイズの画角のテレビ。シネスコ作品を上下の黒帯なしで画面いっぱいに再現できることなど、映画好きな人のためのテレビと言える。
ワイドな画面を生かして、16:9のテレビ放送とインターネットのブラウザー画面を同時表示するような使い方ができると人気が高まりそうだ。また、画面の形が違うというのは、誰が見ても一目で違いがわかる特徴でもあり、意外や注目を集めそうな気もしている。
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