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あのライブの舞台裏を大公開

マイケル降臨! あの幻のライブを3D中継!【後編】

2011年01月18日 18時03分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●写真提供/日本テレビ、ソニー

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3Dは今後もさらに発展していく技術

──2010年は様々な3Dコンテンツが公開されて、最後の最後にマイケル・ジャクソンを3Dで見るという、豪華なイベントで幕を閉じました。まさに3D元年とも言える年だったと思いますが、2010年を振り返ってみていかがでしたか?

荒井 3Dはとても可能性のある分野だと思いましたね。なぜかというと、これから技術を作っていくからです。それはソニーだけじゃなく、他のメーカーさんもそうだと思います。映像はSDから始まって近年ようやくHDに辿り着きました。実は、SDからHDへの進化は意外と時間がかかっているんです。3Dも2010年が元年と言われていますけど、技術はまだまだ進歩していくでしょう。間違いなく、これから広がっていく分野です。

リハーサルの様子

──見づらいだとか目が疲れるとか、ネガティブな意見も出ていますが、今すぐに結論を出してしまうのはもったいないですね。

荒井 そのような意見があるのは、もちろん承知しています。ですが、撮影や上映のノウハウ・技術も急速に向上していますし、今後3Dの普及が進んでいけば、そのような指摘の出るコンテンツは少なくなっていくと思いますし、私たちもそれに向かって貢献していきたいと思います。

──様々なコンテンツがありますが、3D化にあたってどのジャンルが一番大変ですか?

荒井 個人的な意見を言うと、スポーツは大変ですね。まったく動きが予想ができないので、いろんなことを想定して作らないといけないんです。逆に、今回のようなライブ、エンターテインメント系は、ある程度決まりごとがあるので、作りやすいし、より3Dの良いところが引き出せるような演出もできます。

一瞬のミスも許されないPAブース

ソニーの誇るスイッチングシステム。ここで、3DLEDスクリーンへ送出するための映像を切り替えている

──なるほど。では将来的に、フルに3Dライブができる可能性もあると?

荒井 それはあると思います。2010年7月にさいたまスーパーアリーナで、約900インチのモニターを使ってコンサートをした実績があるので十分可能です。最近の3D映画の傾向としては奥行き感を重視し、強調したい部分のみ飛び出して見せるという演出が多いのですが、このように演出次第では長時間のライブでも気分が悪くなることなく楽しめるようになるでしょう。ソニーとしては、FIFAワールドカップも3D中継をやらせてもらいましたが、1試合丸々見ても目が疲れなかったはずです。

あの夢のような一夜は、このように見えないところで活躍する多くの職人がいたおかげで実現したのである

(次ページへ続く)

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