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あのライブの舞台裏を大公開

マイケル降臨! あの幻のライブを3D中継!【後編】

2011年01月18日 18時03分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●写真提供/日本テレビ、ソニー

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このライブでは円偏光方式を採用しました

──最近、BDなどにも3Dコンテンツが収録されていますが……。

荒井 BDで採用されているのはフレームシーケンシャルと言います。サイドバイサイドは伝送方式で、フレームシーケンシャルは表示方式なんです。これは、左右の映像を高速で交互に再生し、それを専用のメガネがシャッターを高速で開閉することで振り分けてくれて、その結果3Dに見えます。

 基本的に3D映像は右目用と左目用をそれぞれ撮影しないといけないんですよ。そのためにカメラを2つ乗せるRigがあり、数メーカーがリリースしています。

──例えば映画館だと3Dメガネはゴツイのとかがありますけど、このメガネはシンプルですよね?

荒井 3Dの上映方式は様々ありますが、今回のライブでは円偏光方式での上映を採用したため、メガネをこのように軽くシンプルなものにすることができました。

──では、2Dで撮影された映像を3Dに変換することはできるのでしょうか?

荒井 もちろんできます。現在ソニーでは2Dを3Dに変換する技術を開発しており、「MPE-200」という機材を使って変換します(関連記事)。


──ということは、既存のコンテンツを3D化して再リリースという可能性もあるんですね。話を戻しまして、このライブで苦労したところはありますか?

荒井 一番悩んだのがダンサーの演出、見せ方ですね。普通の演出では2Dと同じになってしまうので、3Dを意識した演出が必要となってきます。カメラアングルや画角などをカメラマンやスイッチャーと相談して作り上げました。演出される側のダンサーたちがこの演出に対してどういう反応をするのか心配だったのですが、結果的には皆さん、喜んでくださいました。

円偏光方式の3D上映だと、メガネはこのようにシンプルなもので済む

──では、ライブを見たお客さんの反応はいかがでしたか?

荒井 ものすごい反響でしたね。「マイケル・ジャクソン」という希代のスーパーエンターテイナーが題材・前提というのもあるとは思いますが、みなさん終始盛り上がっていました。3D映像はまさしく「蘇るマイケル・ジャクソン」だったのではないでしょうか。3Dメガネをかけて、3Dのマイケルを見ながら踊っている人もいたくらいですよ。汐留ホールのほうも、同じくらい盛り上がっていたと思います。

汐留の日テレホールの様子。SHIBUYA-AXとのタイムラグはないため、同じ場所で盛り上がることができた。日テレホールにはダンサーたちはいないが、3Dのおかげであたかもその場にいるような雰囲気を味わえるのだ

3DLEDスクリーンが組み上がるまで。このように多くの人が関わって組み立てていたのだ

280インチの3DLEDスクリーン。ここにマイケルがドドーンと映し出された

このカメラを使って撮影し、日テレホールに伝送していたのだ!

これはクレーンカメラ。フロア全域を俯瞰で撮影する

(次ページへ続く)

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