ソニーのコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」が、ラインナップをほぼ一新する。「W」「T」シリーズ全機種と、「H」シリーズの一部の機種が、新型の裏面照射型CMOSセンサーを採用。従来の裏面照射型CMOSセンサーは最大で1220万画素だったが、新型のセンサーは有効1620万画素となっている。
高速なAF動作を実現した「WX10」
3月4日発売予定の「DSC-WX10」(予想実売価格3万5000円前後)は、従来の高画質モデル「DSC-WX5」の後継機。最大の特徴は高速なAFで、約0.1秒の合焦を実現している。
WX10では撮影時にフォーカスの異なる2枚の画像を取得。これを分析して被写体との大まかな距離を割り出し、ピントの合いそうな範囲にのみレンズを動かす。これにより無駄なレンズ動作を省略して高速化を実現している。さらにWX10は、このAF動作の仕組みを応用した新しい3D撮影機能を搭載する。
従来はカメラをスイングさせることでパノラマ写真を撮影する「スイングパノラマ」を応用した3D撮影が可能だったが、WX10は被写体と背景の画像を合成することで、スイングすることなく1シャッターで3D撮影が可能となった。
静止画の撮影モードは、新たにホワイトバランスやカラーモード、彩度、コントラスト、シャープネスの調整が可能な「Mモード」と、HDRなどの重ね合わせ処理も含めてシーン検出&撮影設定を自動で行なう「プレミアムおまかせオート」を搭載。
プレミアムおまかせオートは従来、「人物」や「逆光」など8つのシチュエーションから、撮影環境に合った撮影設定を自動選択していたが、今回からさらに3つのシチュエーション(赤ちゃん、スポットライト、暗所)が加わった。
加えて3つの撮影スタイル(オート、三脚、動き)が自動選択されるが、新たに加わった“動き”では、重ね合わせ処理の際に動く被写体に対応。ダブったりしないように被写体の動きに合わせ、最適な重ね合わせ処理を行なう。これらの組み合わせにより合計33パターンのシーン認識を利用できる。
さらに、従来は露出アンダーと露出オーバーの2枚の写真を重ね合わせていた「逆光補正HDR」を改良し、適正露出を含めた3枚で合成処理を行なうようになった。
撮像素子は新型の裏面照射型CMOSセンサーで、光学7倍ズームレンズ(24mm)を搭載。同社「ハンディカム」などに採用されている手ブレ補正機能「アクティブモード」を新たに採用し、歩きながらの動画撮影でもブレない映像を録画できる。
動画撮影時は追尾フォーカスが利用できるほか、(プレミアムおまかせオートと同じ)11のシチュエーションと3つの撮影スタイルを組み合わせた、33シーンから最適な撮影モードを自動選択してくれる。
より薄型化した「WX7」
WX5の後継機種としてもう1機種、「DSC-WX7」(予想実売価格3万円前後)が2月10日に投入される。WX7は幅92.2×奥行き19.1×高さ51.9mmで、WX5よりも約2.4mm薄型化したのが特徴だ。
背面からモードダイヤルがなくなり、モード選択はメニュー画面から行なう。その際に便利なコントロールダイヤルが備わっており、ダイヤルを回すことでモード選択や再生時の画像選択などが可能となっている。
新しいプレミアムおまかせオート機能と動画撮影時のシーン認識、追従フォーカス、3D撮影機能が新たに加わっている。動画撮影時のシーン認識はWX10と同様に33パターンとなる。
撮像素子は新開発の裏面照射型CMOSセンサーを採用。5倍の光学ズームレンズ、2.8型(約46万ドット)の液晶モニターを搭載する。
