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International CES 2011レポート 第7回

ARMへの対応で新たな船出をするWindows

2011年01月07日 17時00分更新

文● 塩田紳二

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Windowsの話題は「Surface」とARMへの対応

 Windows Phone 7のあと、話はWindowsに移った。まず紹介されたのは、Samsungと共同開発した「Microsoft Surface」。Samsungの開発した新しいディスプレー「Samsung SUR40」はマルチタッチの検出が可能で、ディスプレー自体が表面にあるものを読み取ることができる。

 具体的には表示素子の各ドットに赤外線センサーがあり、ディスプレーと同じ解像度で読み取れる「PixelSense」と呼ばれる技術が組み込まれている。これを使うことで、たとえば文字の書いてある紙を乗せるとそのイメージを取り込むことができるのだ。新しいSurfaceにはそのための機能が入り、手で操作できるだけでなく、書類なども認識できるようになる。

 そのほかにも現在ベータテストが行なわれているInternet Explorerや、今回のCESで発表された新しいPC、インテルのSandy Bridgeなどのデモが行なわれた。

遅ればせながら(?)
新たな領域へと拡大するWindows

 最後に出た話は、次世代Windowsについてだ。次のWindowsは「SoC(System On the Chip)」デバイスに対応するのだという。SoCとは、一般にCPUに周辺回路などを統合したデバイスを指し、スペースの限られる携帯電話のような機器などに利用される。そして次世代のWindowsは従来のx86プロセッサだけでなく、ARMプロセッサ用も開発されることを発表した。

 現在のWindowsはサーバー用ではItaniumという非x86系プロセッサに対応しているが、クライアント用は32/64bitそれぞれのx86コードにしか対応していない。マイクロソフトはそこから一歩踏み出し、ARMプロセッサー用のWindowsを提供するのだという。

動作しているのは次世代Windowsのプレリリース版。ビルド番号は7867。機能的には現在のWindows 7とほぼ同等と思われる

 もっともマイクロソフトが非インテル系のプロセッサーにWindowsを対応させるのはこれが初めてではない。かつてWindows NTは、RISCプロセッサであるMIPSやAlpha、PowerPCといったプロセッサ用のものが作られていた。しかし、ビジネス的には成功せず、x86系のみに集中することになり現在に至っている。Windows NTはもともと多くの部分がCPUアーキテクチャから独立していて、x86以外に対応するのはそれほど困難ではなかった。

 今回のARM版Windowsは、完全にARM用のコードで記述されているという。ただしARM版のWindowsは、既存のx86バイナリーコードを実行する機能はなく、既存のアプリケーションを利用するにはARM用に再コンパイルする必要がある。ただ環境自体はWindowsなので、特殊なものでもない限り移植は容易であると推測される。実際にデモでも、WordをARM用Windowsの上で動作させていた。

 このARM版Windowsの最大の特徴は、これまでx86用Windowsでしか動作できなかったデバイスドライバーのほとんどがARM用Windowsでも利用可能になることだ。たとえばカラープリンターの多くはWindowsと、あとはMac OS Xくらいしか対応していない。また数多くのUSBデバイス、PCI Expressデバイスの大多数は、Windowsでしか動作しない。

 これまでも多くのOSがWindowsに挑戦してきたが、デバイスドライバーの対応でWindows並になることが困難だった。しかしARM版のWindowsは、現在マイクロソフトが提供しているいわゆるボックスドライバを利用することができ、最初から広範囲なデバイスが利用可能だ。

次世代のWindowsでSoC系チップに対応することが発表された。Intel、AMDのほかに、クアルコム、NVIDIA、TI、ARMのロゴが表示された

 デモでは、Intel(Atom)、クアルコム「Snapdragon」(ARM系)、NVIDIA「Tegra」(ARM系)、TI「OMAP」(ARM系)の各システムでWindowsが動作していることを示すものがあった。GUIなどは現在のWindows 7と同じであり、デスクトップなどの見た目はどれも同じである。

ARM版のWindowsでワードが動作し、印刷などが可能なことを示した

 マイクロソフトは次世代のWindowsでマルチプラットフォーム対応を追加する。ARM系デバイスは、現時点ではスマートフォンなどの「組み込み用途」がメインだ。このためマイクロソフトも「SoC」に対応とし、たとえばインテルの製品でいえばAtomクラスの性能の領域にWindowsを持ち込むと表現している。

 だが、次世代ARMプロセッサーは本格的な仮想化支援機能などを持ったものが開発中であり、さらに性能も上がる予定だ。将来的にはデスクトップやノートといったPCのメインストリーム領域でARMプロセッサが利用される可能性もあるだろう。

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