携帯ゲーム機をはるかに超える!?
コンソール並みの高品質ゲームも
NVIDIAがOptimus 2Xでアピールしている点のひとつがゲーム用途だ。デュアルコアCPUと高速GPUの処理能力を生かして、プレイステーション・ポータブルやニンテンドーDSなどの携帯ゲーム機を超えた、据え置きゲーム機(コンソール)に匹敵する高度なグラフィックス表現を可能としている。
ゲームに関するデモでは、米Trendy Entertainmentのゲーム「Dungeon Defenders」によるマルチプレイが目を引いた。このゲームはいわゆる「MO」(Multiplayer Online、少人数同時プレイ)タイプのアクションRPGだが、Optimus 2X用だけでなく、パソコン用、プレイステーション3用が用意され、それら異なるプラットフォームから、同時に同じステージの中で、複数人によるプレイが可能となっている。
しかも単に「同時に遊べる」というだけでなく、画面の見た目もスクリーンサイズの違いこそあれ、Optimus 2X上のゲームもパソコン用とそう劣らないほどで、動作も同じくらいに軽快に動く。「コンソール並み」をうたうのは伊達ではないようだ。
また、Flash Player 10.1にも対応。Flashコンテンツには(基本的に)手も足も出ないiPhoneとは違うとしている。Flashコンテンツの動作速度も速く、同じFlashベースのゲームをほかのAndroid端末と同時に動かして、動作の違いを見せるビデオも披露された。
NVIDIA独自設計のARMコア
Project Denverも開発中!
さらに講演の最後では、NVIDIAが英ARMからライセンスを受けて、独自設計のARMコアCPU「Project Denver」を開発中であることも明らかにされた。Tegra 2は、ARMが開発したCortex-A9コアを使用したSoCだが、Project Denverはこのコア自体をNVIDIAが開発するというものだ。
どのようなCPUになるのかは不明だが、「High Performance ARM Core」を表明しているだけに、処理性能を重視した強化を加えたものになるようだ。しかもプレスリリースによると、このCPUでパソコンからスーパーコンピューターまでをカバーするというから壮大な構想となっている。また同日には、マイクロソフトがARM系SoC向けに次世代Windowsを開発中であることを発表しただけに(関連記事)、このProject DenverがどのようなCPUになり、どんな製品に搭載されて登場するのか、非常に興味深い。
NVIDIAと言えば、パソコン用GPUの会社というのが一般的なイメージである。だが今回の記者説明会は、同日(日本時間では6日)に発表されたノートパソコン用「GeForce 500M」の話さえ一切ないほど、徹底したTegra 2のお披露目会となっていた。NVIDIAのビジネスが、急激にARMコアSoCへとシフトしている様子がはっきりとうかがえ、Tegra 2は今後の同社を占ううえで重要な転回点となる製品となりそうだ。
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