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日立ストレージ製品の生まれ故郷を訪ねる【後編】

仮想化を追い求め続けた日立ストレージの昔と今

2011年01月11日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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さて、後編はRAIDシステム事業部 事業企画本部 製品企画部 部長の大枝高氏にRAIDシステム事業部の変遷や最新製品の特徴などを説明してもらった。仮想化・クラウド時代を支える日立ストレージの真の価値とは?

外付けストレージ国内市場14年間連続1位の実力

RAIDシステム事業部 事業企画本部 製品企画部 部長の大枝高氏

1967年に出荷された磁気ディスク装置が現在も展示してある

 日立のRAIDシステム事業部は、日立製作所に7つあるカンパニーのうち、情報・通信システム社のプラットフォーム部門に属している。国内の営業・サポートは東京、開発は国内の生産工場と同じく神奈川県の小田原を本拠地とする。前編でも紹介したとおり、もともとは1966年に磁気ディスクの生産からスタートし、1990年代前半には現在のように外付けディスクアレイ装置の生産を開始している。「ディスクアレイ装置の開発は大きく分けて、大型RAIDシステムと呼ばれるメインフレーム向けのストレージと、小型RAIDシステムというオープン系のストレージの2本立てでスタートしました。2001年にRAIDシステム事業部が誕生してからは、大型RAIDシステムの流れを汲むエンタープライズストレージ(最新機は「Hitachi Virtual Storage Platform」)、そして小型RAIDシステムの流れを汲むミッドレンジストレージ(最新機は「Hitachi Adaptable Modular Storage 2000」「Hitachi Simple Modular Storage 100」)を展開しています」(大枝氏)という。なお、SANやNASなどのシステム構築はプラットフォームソリューション事業部、ストレージ管理ソフトウェアなどは別途ソフトウェア事業部が管轄している。

日立ストレージ事業部門の沿革

 さて、日立のストレージというと、やはり基幹系向けのハイエンドブランドというイメージが強い。実際、「大型RAIDストレージは金融機関や大企業などのミッションクリティカル分野で使われていますし、最近ではドットコム系の企業でも幅広く採用されています」(大枝氏)とのこと。まさに、基幹系システムの根幹を支えるストレージとして導入されているわけだ。グローバルでも高いシェアを誇っており、世界100カ所以上の国と地域で事業展開を行なっているほか、約100社のOEM・パートナーを抱える。結果として、OEMを含めたエンタープライズ製品分野では5年連続ワールドワイド1位、外付けストレージ国内市場ではなんと14年連続1位を獲得している。移り変わりの激しいストレージ業界において、これはなかなかすごいことだ。

SANソリューションセンター内に設置されたHitachi Virtual Storage Platform

 この理由として、大枝氏は「まずストレージシステムで海外に打って出ようと事業展開したのもRAIDストレージへ移行するより、ずいぶん前ですし、RAID技術への取り組みやSAN、仮想化などの技術への進出も早かったです。こうした先端的な取り組みを続けていることで、今の地位を築いています」と語った。

 もう1つは、やはり信頼性だ。「ストレージという製品では最悪の場合、顧客のデータを失ってしまいます。たとえば、銀行がデータを失うという事態が決してあってはなりませんよね。ですから、信頼性を確保するための設計においては、まったく手を抜いてません。ストレージにおいて、一般的に性能と信頼性はトレードオフになりますが、弊社は信頼性に重きを置いています。そのうえで、世界最高レベルの性能向上も図っています。この姿勢で作った製品が、高い評価を受けているのです」(大枝氏)と絶対の自信を持っている。

(次ページ、仮想化を追い続けた日立ストレージに新製品)


 

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