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日立ストレージ製品の生まれ故郷を訪ねる【前編】

難攻不落の小田原で日立の堅牢ストレージが生まれる

2011年01月07日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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最新機器と人間がタッグを組んだ生産現場

 次に紹介されたのが、PCBAの現場。こちらはプリント実装基板に対して部品を配置し、はんだ付けしていく行程になる。欧州/米国の工場から高速なマウンターを移管して、新規の表裏一貫ラインを構築することにより、スループットが大幅に向上したという。こちらはラインコントローラーというプログラムによって制御されているため、自動化が進んでおり、オペレータ人員は少ない。

基板上に部品を印刷する日立ハイテクノロジーズの新型プリンタ

部品の取り付けを高速に行なうマウンター

高速なはんだ付けを行なうリフローオーブン

AGVに運ばれた部品収集箱が並ぶ

3次元ではんだ付けをチェックできる外観検査装置。2次元ではわからないチェックを行なえる

3次元のチェックの後には、X線検査も行なわれる

機械による検査のあとは担当者の目視による検査も実施される

完成した基板。約3000にもおよぶ部品が装着されているという

 PCBAが完成すると、次は組み立て工程、FA(Final Assembly)へと移る。基本は、作業スペース(セル)内で1人が最初から最後までまとめて組み立て作業を進めるセル方式を採用している。ここで活躍するのが、日立ならではのe-Assyという作業支援システム。簡単にいえば、いままで紙だった作業指示書を電子化したもので、モニタに表示される図面や作業手順、注意事項などを見ながら作業することで、品質の高い組み立てが実現する。従来は5つの工程を筐体単位で順送りしながらの組み立てだったが、最近ではラインで組み立てたあと、ラックに組み入れるというパターンによって工程も簡略化したという。

e-Assyを見ながら組み立て作業を進める。熟練度に関係なく、高い品質の組み立てが実現する

インライン内装梱包ということで、倉庫に運ぶ前に梱包を済ましてしまう

RFIDを活用し、部品の不良コード等をデータベース化して、リペア作業の効率化を実現するシステムもある

(次ページ、検査!検査!また検査!信頼性を支える検査の中身)


 

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