「RaopX」をインストール、そして……
RaopXは、システムサウンドをそのままRAOPストリームとして配信する。そのため、OS X上のサウンドすべてを仮想オーディオデバイスへ出力し、それをRaopXが利用する、という形を採ることになる。そのためのソフトが「Soundflower」で、最新バージョン(Soundflower-1.5.2.dmg)を事前にインストールしておく必要がある。
Soundflowerをインストールすると、システム環境設定の「サウンド」ペイン出力/入力タブに、「Soundflower(2ch)」というデバイス名が生成される。これを選択しておけば、RaopXをインストールする準備は完了だ。
次に、RaopXのサイトから最新バージョン(RaopX_v0.0.4.dmg)を入手してインストール。これで準備完了……とはならず、バスエラーを回避するために、以下のコマンドをTerminalから実行する。
$ mkdir ~/bin
$ sudo mv /usr/local/bin/RaopX ~/bin/
Password:
$ export PATH=$PATH:$HOME/bin
これで、Terminalから「RaopX
」を実行すれば、ネットワーク上に存在するAirPlayクライアントが自動検出され、候補に表示される。配信先にするデバイスに割り当てられた番号を入力すれば、バッファ作成に9秒ほどを要したのち、音声が聞こえるようになるという流れだ。
結果だが……市販のAirPlay対応オーディオ機器は、エラーの発生により音楽を再生できず。第2世代のApple TVについても、「名称未設定」のオーディオストリームとして検出されるが、音楽を聴くことはできなかった。残念ながら失敗だ。
AirTunesが解析された当時、RTSP上にAESなどで暗号化されたApple LossLessが流れる形が、RAOPの大まかな仕様であると伝えられていた。RaopXの動作およびSoundflowerの設定は問題ないという前提に立つと、AirTunesからAirPlayへ移行するにあたり、暗号が強化されるなどの対策が施された可能性が考えられる。
残念ながら、さらなる解析が進まない限り、非Apple製品から第2世代Apple TVなどの製品へAirPlayで配信することは難しそうだ。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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