本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
今回は「フリーなAirPlay互換実装」について。仕様が公開されていない技術ではあるが、少なくとも「AirTunes」と呼ばれた時代のオーディオストリームがRTSPベースであることは公然の秘密。すでに有志の解析によりフリーな実装も存在する。それがAirPlayへと進化した現在でも使えるのかどうか、試してみることにした。
「AirPlay」の配信はiTunesとiOS……だけでいいのか?
iOS 4.2でサポートされた「AirPlay」。「AirMac Express」(日本以外の地域での名称は「AirPort Express」)に採用されていたオーディオ配信規格を改名したもので、ビデオストリームを配信できるよう拡張も加えられている。
後方互換性が確保されているのはオーディオストリームのみのため、初代Apple TVは映像なしという寂しいことになるが、AirMac Expressは変わらず利用できる。2008年にIEEE 802.11n対応というマイナーチェンジがあったものの、基本的な製品設計は2004年以来変わらないのだから、かなり息の長い製品といえる。
このAirPlayの基礎となったAirTunesは、仕様非公開のプロプライエタリな規格。しかし有志ユーザーにより解析が進められ、「Remote Audio Output Protocol」(RAOP)と呼ばれるプロトコルに基づき、オーディオストリームが生成されることが確認されている。
現行のAirPlayも変わらずプロプライエタリだが、オーディオだけを配信しようとすれば、AirTunes時代の解析結果を活かす方法があるかも……。ということで記憶の糸をたぐってみると、「RaopX」の存在を思い出した。このフリーソフトを使えば、SongbirdやReal PlayerといったiTunes以外のプレーヤーソフトを使い、AirPlay対応デバイスで音楽を聴くことができるはずだ。
なお、RaopXがApple TVでは動作しないことは事前情報として確認している。12月20日現在製品名は明かせないのだが、市販のAirPlay対応オーディオ機器(いわゆるネットワークオーディオプレーヤー、近日中にファームウェアアップデータが配布予定)が手元にあるため、非純正ソフトから配信したRAOPストリームをAirPlay対応デバイスで聴けるかどうか、試してみたい。
(次ページへ続く)
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