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漫画サイト「Jコミ」仕分け座談会レポート

都条例は「かつてない脅威」――漫画関係者が激白

2010年12月22日 12時00分更新

文● まつもとあつし

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漫画家の「食い扶持」にも影響が

赤松 理屈の上ではゾーニングすべき、というのは分かるんです。

 だけど、紙の本の場合は現実的に売り場の隅に追いやられること、そしてテーピング等で中身が見られなくなることなどを考えると、実売で3分の1くらいにはなってしまうんじゃないでしょうか。出版社からすればそんな本は出さないでしょう、儲からないから。

 漫画家にとっては描く場所がなくなる、イコール絶滅する方向に行ってしまう。電子書籍の場合は事情が異なりますが――Jコミの場合は、エロはDRMをかけて有料で販売、作者さんに還元することになるかなと考えています。

峯村 赤松先生の仰るように、新たに規制の対象となる作品にとって、販売への影響は大きいと思います。成年コミックをメインで扱う松文館では、規制の前からゾーニング対応を行なっており、既に電子書籍でのリリースに相当比重を移しているのが実情ですね。

「新たに規制の対象となる作品にとっては、販売への影響は大きいと思います」(峯村大作氏)

杏東 成年コミックの表紙デザインもしていますが、やはり10代以下の子供たちに過激な暴力やポルノが含まれた作品は見せたくないなと、僕も思います。でも、それをお上が決めるというのは反対です。

小梅 冬コミ向けに進めている作品が、表現・締め切りともに大ピンチです(笑)。いままでもコンビニ誌は規制の影響を受けてきて、アングルを変えるとか、見開きはNGとか、いろんな縛りがありました。今回の規制で市場が小さくなるのは間違いないでしょうね。

 売られる場所がどれくらい減って、食い扶持が小さくなってしまうのかが分からないし、不安が大きい。私も含め、成年マンガを描いている人には、コミケのような同人と商業誌の両方で生計を立てている人が多いので、同人への影響はないのかというのも心配です。

 改正第7条には「図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者」とあるので、同人誌には直接は関わってはこないかなと……そう行政側には判断してほしいところです。

小梅 けれど、委託販売は商業に準じることになっています。

成年漫画も手がける漫画家・小梅けいと氏。今回の条例で心理的に大きなショックを受けたという

 法律的には「反復継続性があるもの」になるので、コミケのように1回きりの販売だとそれには当たらないかなと。

堀田 ただ、「とらのあな」や「メロンブックス」のように同人誌の二次流通があるところだと該当してしまいますよね?

 なるほど。しかしある程度成功した作品については、逆に言えばそういった義務が生じるのは個人的にはやむを得ないかもしれません。

(次のページに続く)

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