付属レンズの実力は!?
GF2のレンズキットは2種類ある。28mm相当の14mm/F2.5が1本付属する「DMC-GF2C」レンズキット(実売8万円前後)と、14mmのほかに28-84mm相当の14-42mm/F3.5-5.6が付属する「DMC-GF2W」ダブルレンズキット(実売9万円前後)だ。
GF1には40mmに相当する20mmが付属するキットがあったが、GF2では用意されていない。個人的には、14mmと20mmがセットになった“ダブルパンケーキキット”とかがあったらよかったと思う。
14mmは35mmフィルム換算で28mm相当の画角になる、スナップや風景撮影に適したレンズだ。厚みはマウント面から僅か20.5mmと薄く、重量も55gと軽い。最短撮影距離は18cm。28mm相当で18cmまで寄れるので、思いっきり近づけば広角レンズ特有の迫力のある遠近感を演出可能だ。インナーフォーカス方式でピント駆動も静かで速い。
14-42mmはキット用の廉価版標準ズームだ。手ブレ補正機能は内蔵されているものの、レンズ本体にはスイッチがなく、マウントがプラスティック製だったりと造りが簡略化されている。最短撮影距離はズーム全域で30cmだ。
14mm絞りチェック
14mmの中心部は絞り開放からシャープな印象。周辺部は、F5.6までは少し甘いが、F8.0ですでにボケ始める。隅々までシャープに撮りたいなら、絞りはF5.6の一択になる。周辺部の光量落ちもF5.6までは目立つ。
単焦点レンズとしては少し物足りない描写力、という印象だ。解像感も歪曲収差もズームレンズと大きな差がない。周辺光量落ちに関しては、開放値の問題もあるが、ズームよりも暗くなってしまう。
描写力を求めるなら旧型の標準ズーム14-45mmのほうが解像感は高いが、歪曲収差は14-45mmのほうが大きくなってしまう。
しかし、A4サイズ以上に大きく引き伸ばして印刷するのでなければ十分な性能だ。14mmはむしろ小型軽量な分、使い勝手がいいので、スナップなど気軽に撮るのには適している。
14-42mm、14mm側絞りチェック
14-42mm(14mm側)の中央部は開放からシャープだ。F8.0以降で解像感が落ちていく。極四隅はどの絞りでも解像感不足だが、F8.0あたりが一番いい。周辺光量落ちはF5.6まで目立つ。
14-42mm、42mm側絞りチェック
14-42mm(42mm側)の中央部はF11までシャープだが、それ以降は解像感が低下する。周辺部は開放のF5.6はかなり甘いが、1段絞れば改善する。周辺光量落ちは開放では目立つがF8.0では気にならないレベルになる。
14-42mmもキットレンズとしては標準的な性能だ。歪曲収差は若干あるが、きっちり四角いものを撮るのでなければ問題はない。常用レンズには十分だ。