情報を閲覧するためのビューアーとして使いやすいiPadを、業務用端末として活用する企業が増えてきた。そして手軽にパソコンのデータをiPadで活用するための方法として「Bento for iPad」に注目が集まっている。今回は実際にiPadとBento for iPadでワインデータを管理している西麻布の「Les Rendez-vous de Tokyo」の事例を紹介しよう。
iPadのワインリストで楽しみ方がもっと多彩に
ビストロ・ワインバー「Les Rendez-vous de Tokyo」のオーナー猪飼綾乃氏に「Bento for iPad」導入について話を聞いた。
──「Bento for iPad」を使い始めたのはなぜでしょう?
きっかけは、お店で扱っているワインのリストをiPadで見られるようにして、もっとお客様とのコミュニケーションを円滑にしたいと思い付いたことでした。最初はKeynoteを使ったのですが、大量のワインを効率的に見せるレイアウトがうまくいかなくて……。HTMLで作ることも考えましたが、店内の無線LANが不安定で、いざというときに読み込めないと困ります。結局、PDFにしたメニューを「Good Reader」で読んでもらうことにしました。でも、ワインの品目が増えたり、価格を変えたりしたときにはPDFの元書類のレイアウトから修正しなくてはならず、大変でした。
そんなとき、Bentoは操作が簡単でパソコンに詳しくない人でもデータの更新ができると聞いたんです。データをiPadに保存できるので、ネットワークにつながっていなくても利用できますしね。
──データベースを作るのは難しくありませんでしたか?
フィールドを用意するという概念が最初わかりにくかったのですが、見せたい項目を用意していったらそれなりに形になりました。もともとお店の在庫管理でスプレッドシートを使っていて、主なデータはそこから読み込めたので入力自体はほとんど手間がかかっていません。
──お客様の反応はどうですか?
全体メニューのほかに、「スマートコレクション」でワインの色/産地/ぶどうの品種/価格帯での分類を済ませてあります。これまでのPDFメニューは紙のメニューと同じだったので、より多角的な見方ができるようになったと喜んでもらえました。
また、ワイン1本に関する情報量も格段に多くなっていて、「今度は同じワイナリーの別のワインを飲んでみよう」といった選び方をされている方もいらっしゃいますね。
──気になる点はありませんか?
データベースソフトは初めて触りましたが、思っていたよりも使いやすいですね。ただ、本格的に使うには力不足だと感じる点もあります。例えば、ほかのデータベースやコレクションにリンクできるボタンがあると便利ですし、検索条件を増やせるといいですね。また、当店のようにメニューとして使っていると、価格などお客様に変更されては困るフィールドもあります。そういう場所にはロックをかけられるとありがたいです。このあたりは次に期待したいです!
Les Rendez-vous de Tokyo
東京・西麻布にあるビストロ・ワインバー。有機野菜を中心に、旬の素材を生かした料理が好評。ソムリエでもあるオーナーの猪飼綾乃氏がお勧めする、リーズナブルで美味しいオーストラリアワインも豊富だ。
住所:東京都港区西麻布3-13-20 ヒデビルB1F
電話:03-5410-8110
URL:http://lesrendezvous-tokyo.com/
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