ゲーム機やHDDレコーダーも接続可能
インターフェース類は右側面と背面に配置されている。左側面には光学ドライブが搭載される。評価機はプレミアムパッケージなので、BDコンボドライブ(BD読み込み+DVDスーパーマルチドライブ)を搭載する。
背面の右側(前面から見ると左)には、映像入力系の端子が備わっている。これは本機を単独のディスプレーとして使う場合に、外部機器を接続するための入力端子である。地デジチューナー機能を内蔵する点も考えると、個人の部屋に設置するアナログテレビの置き換えにも適する。パソコン/デジタルテレビ+レコーダー/ゲーム機用モニターを1台でまかなえるわけだ。「個室に何台もテレビやディスプレーを置きたくない」という場合に役立つ、意外に便利な機能だ。
スピーカーもチェックしよう。素のままで音楽を再生してみると、音質はこのクラスのパソコンとしては特に良くも悪くもない、という程度だ。しかし、「THX TruStudio PC」の設定ソフトで機能を有効にすると、印象はがらりと変わる。バーチャルサラウンド機能により音の広がりが加わるほか、「CRYSTALIZER」を有効にすると、「圧縮により失われたダイナミックレンジを最適化」するとのことで、確かに音が豊かになる。音楽を聞く際はもちろん、映画やゲームのときも活用したい。
独自のタッチUI DELLステージを用意
Windowsベースのタッチ操作パソコンで避けられない問題が、「既存のWindowsアプリケーションは、タッチでは操作しにくい」という問題だ。それを解消するために、タッチパネル搭載の個人・家庭向けパソコンを提供している各社は、タッチ操作用フロントエンドアプリを用意して、タッチでも使いやすいように工夫を凝らしている。
Inspiron One 2310にも「DELLステージ」というタッチ操作用ランチャーが搭載されている。Windows 7を起動すると、デスクトップ下側に大きめのアイコンを並べたツールパレットが表示される。パレットに並ぶアイコンにタッチすると、その機能やアプリで見られるコンテンツのサムネイルが表示され、もう一度タッチするとデスクトップがそのアプリに切り替わるという仕組みだ。
DELLステージには、画像ビューワーや動画ビューワーといった基本的なものから、手書きで書ける掲示板、ペイントソフト、アプリケーションランチャーといったものが収録されている。もちろん起動後の各アプリも、タッチで操作しやすいユーザーインターフェースを備えている。
なかでも記者が気に入ったのは、「ウェブタイル」というアプリが持つインターネットラジオの機能だ。「世界のラジオ局」を選ぶとタッチで回転する地球儀が現われて、世界各国の都市のところにマーカーが表示されている。各マーカーをクリックすると、その都市周辺から放送されているインターネットラジオが聞けるという仕組みだ。「この国、この街ではこんな放送があるのか」といった新鮮な驚きが楽しい。ちなみに日本については、東京にマーカーがあったものの、放送されている局はなかった。
先述したように、Inspiron One 2310はTHX TruStudio PCにより、サウンド再生時の音質補完やバーチャルサラウンドの機能を持つ。この機能は特にインターネットラジオとの親和性が高い。インターネットラジオは高圧縮のストリーミング放送が主体なので音質面では劣る。しかし圧縮音声の音質を改善するTHX TruStudio PCにより、一般的なノートパソコンのスピーカーで聞くよりもいい音で聞こえるためだ。