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エネルギー消費量を可視化し、利用者に気付きを

マイクロソフト、大阪大学とグリーンITプロジェクトを開始

2010年12月13日 10時15分更新

文● 遠竹智寿子

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 発足式では、マイクロソフトのパブリックセクター業務執行役員 文教ソリューション本部長を務めるマニッシュ・ミシュラ氏が以下のように語った。

大阪大学とマイクロソフトがタッグを組んでグリーンITに挑む。竹村治雄教授(左)とマニッシュ・ミシュラ氏(右)

 「消費電力を考慮したWindows 7や、環境補助に力を発揮できると考えられる仮想化やクラウドへの取り組みなど、マイクロソフトは環境を意識した製品やサービスに力を入れている。また、政府、教育、NPO、企業と連携して社会貢献をしていきたいとも考えている。そんな中でサイバーメディアセンターとグリーンITを実施できることは大変嬉しい」

 竹村教授は以下のように語った。

 「今回のプロジェクトでは、エネルギーの消費量を可視化し、学内の利用者にいかに気付かせるかが狙い。技術を活用して効果的なソリューションを作っていきたい。将来的には、大学全体での展開も考えると共に、他の大学での共通の課題でもあるので、最終的には学内以外にも出して行きたい」

 今回開始された、大阪大学CMCグリーンIT は、新たな製品の導入によって、いきなりCO2排出量の削減を目指すのではなく、その排出量の原因である電力消費に着目している。電力消費量をITを活用して可視化することで、利用者の意識を変えることが、第一の目的だ。

 これまでの試みとは視点を変えた、グリーンITへの新しい取り組みと書いたが、マイクロソフト自身が「視点」を変えた戦略に乗り出していると感じた。そのひとつが今回の大阪大学CMCグリーンIT である。この実証実験がうまく行けば、当然、大学間の連携や他の大学での導入も考えられるが、長期に渡る継続的な支援が必要となるプロジェクトだ。

 別のレポートで、「Citizenship Day 2010」の模様とマイクロソフトの社会貢献活動について報告したが、今回の実証実験でも、単に製品の普及や市場占有率といったビジネス面だけではなく、「人」と「環境」に注目していることが感じられた。今後、「環境を改善できるサービス」がどのように使われ、使った「人」にはどのようなメリットがあり、「環境」への影響はどうなるのか、注目していきたい。

訂正とお詫び:掲載時、登壇者の役職名に一部誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます。(12月15日)

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