一般公開とは言え、どんなPCでも動くわけではない
動作環境をかなり選ぶSplashtop OS
無償で提供されるとはいえ、Splashtop OSはWindowsほど、さまざまなパソコンに対応しているわけではない。例えば筆者がテストしたβ版(バージョン0.9.0.8)では、HPの「Pavilion dm4/dv4/dv5/dv6/dv7」、同じくHPの「mini110/210」「Compaq mini CQ10」などにしか対応していなかった。もちろんSplashtop側では、対応パソコンの数を増やしていきたいと考えているようだが、現状ではこんなものだ。
インストール自体は、Splashtop OSのインストールプログラムをダウンロードして、Windows OS上で起動するだけでいい。後は、インストーラーが環境をチェックして、インストールを始める。インストール中にも、パソコンをインターネットに接続しておく必要がある。これは、Splashtop OSの最新イメージをダウンロードしてくるためだ。
またSplashtop OSでは、Internet Explorerのブックマークを読み込んだり、無線LANの設定を読み込むことが可能だ。これにより、Splashtop OS上で複雑な設定やブックマーク登録をしなくても、簡単に利用できるようになっている。
さて今回は、実際にSplashtop OSをテストしようと、日本ヒューレット・パッカードから「HP Pavilion Notebook PC dv6」をお借りした。だが、残念ながら締め切りまでに、Splashtop OSを起動させることができなかった。インストールは正常に行なわれるのだが、再起動してSplashtop OSを起動しようとしても、Windowsが起動してしまうのだ。
Splashtopのウェブサイトを確認してみると、「サポート機種であっても動作しない場合がある」とのコメントが出ていた。今回試用した機材は、ちょうど動作しない機種に当たったのかもしれないが、今のところ原因も究明できていない。
Splashtop OSのコンセプトは面白いのだが、動作する機種が少ないうえ、対象機種でもうまく動作しなかったりと、まだまだ一般ユーザーが利用できるレベルにまで達してはいない。Splashtop側もこの状況は理解しているので、バージョンを上げていく中でサポート機種を増やすなどして、とSplashtop OSが動作するようにしていくとコメントしている。
★
Windows 7になり、OSの起動が高速化されたといっても、長期間使っていくと、いろいろなアプリケーションのサービスや常駐ソフトが増えて、起動はどんどん遅くなっていく。ウェブブラウザーを使ってメールをチェックしたり、サイトを簡単にチェックするだけなら、Splashtop OSのようなソフトはぴったりだろう。
今回は動作を確認できなかったので、もう少しSplashtop OSのバージョンが上がってから再度挑戦して、レポートしてみたい。
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