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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第80回

2012年のAMDサーバー&デスクトップCPUはこうなる

2010年12月06日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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ハイエンドのZambeziは8/6/4コア
デスクトップ向けCPUロードマップ

AMDデスクトップ向けCPUのロードマップ

図2 AMDデスクトップ向けCPUのロードマップ

 デスクトップ製品ではBulldozerコアに加えて、安価な「Bobcat」コアが投入される。これに加えて、初のFusion APU製品も2011年に登場するため(関連記事)、ロードマップが大変入り組んだものになっている。まず大枠のロードマップは以下のとおり。ここから諸々の情報を加味したものが、上掲の図となる。

市場セグメント別に分類した2011~2012年のCPU/APUロードマップ

市場セグメント別に分類した2011~2012年のCPU/APUロードマップ

デスクトップ向けCPUのロードマップ概略

デスクトップ向けCPUのロードマップ概略

 まず2010年時点で存在する製品については、「Thuban」ベースの一部の製品を除くと、「Phenom II」は比較的早期に生産終了となることが予定されているようだ。一方、「Athlon II」は「Llano」と入れ替わりという形で、2011年一杯でフェードアウトということらしい。

 ただし、これはあくまでも「Llanoが順調に立ち上がった場合」という但し書き付きの話。立ち上がりにもたつくようであれば、当然ながらPhenom IIの生産終了時期はもう少し先に伸びるだろうし、場合によってはAthlon IIが2012年まで生き残る可能性もある。

 バリュー市場向けの「Sempron」は、ほとんどの地域で早期にフェードアウトの予定だ。しかし、新興市場向けには大きなプレセンスがあるということで、もう少し生き残るか、一部の「Zacate」がSempronという名称でリリースされるなんてことも、可能性としてはありそうだ。

 さて2011年だが、まずハイエンド向けはBulldozerコアの「Zambezi」が、8コア/6コア/4コアの3種類で登場することになる。これは32nmプロセスを使った製品で、APU(内蔵GPU)を搭載しない独立GPUプラットフォーム向けとなる。パッケージは「Socket AM3+」となり、将来の「Socket AM4」パッケージとの後方互換性を保ったものになるようだ。

 ハイエンドは当然125W TDP(いきなり140W品は出さないと思われる)で、ほかに95W TDPの製品も用意されるようだ。名称は今のところ「Phenom III X8/X6/X4」という、極めて順当な名前になることが予想されている。だが、AMDの場合は土壇場でブランド名を入れ替えるなんてことがたまにあるので、実際に製品が出てくるまでは油断できない。

 これに続いて、2011年後半には32nmプロセスながら、「Stars」コア(Phenom IIなどと同じK10コア)とGPUコアを搭載したLlanoが登場する。当初は4コア/2コア構成のみだと思っていたのだが、話によればやっぱり3コア品もあるらしい。

 ただし、3コアLlanoに筆者は少々疑問を感じている。もともとPhenom X3やPhenom II X3は、Phenom X4/Phenom II X4の製造の際に、欠陥で1コアが無効になったものを救って製品にする、つまり歩留まり対策の一種だったはずだ。もちろんLlanoでもこれは当てはまるのだが、Llanoの場合はCPUコアよりも、むしろAPU側の欠陥確率が結構高いと聞いている。はたして3コアLlanoという製品ラインを維持できるほど、「APUは無事だがCPUが1コア欠けた」製品が出てくるのだろうか?

 ちなみに、4コア/3コアLlanoは「Beavercreek」、2コアLlanoは「Winterpark」というコード名という話があるが、現時点ではこの真偽が確認できていない。とはいえこれが正しいとすれば、やはり3コア品は歩留まり対策ということになる。

 なお、LlanoはGPU出力がある関係で既存のプラットフォームとの互換性はなく、新たに「Socket FM1」というソケットが利用されるようだ。

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