妥協のないハイエンドスペック、性能重視は変わらず
標準の6セルバッテリーは本体底面にすっきりと収まる。だが、お勧めなのは+2100円で変更できる大容量の9セルバッテリーだ。9セルバッテリーならバッテリー駆動時間が伸びるのはもちろんだが、本体後部が持ちあがってキーボード部が程よい角度に前傾するとともに、底面の吸気穴周囲の空間が確保されて、内部冷却にも貢献する。さらに後述するサブウーファーの再生音にもいい効果があり、本体を持ち運ぶときにも指がかかって持ちやすくなる……と、いいことずくめなのだ。
豊富なインターフェースにも注目したい。前面右にSDカードスロット、右側面に光学ドライブと出力2/入力1系統のオーディオコネクター類、電源オフ時でも電力供給可能なUSB 2.0/eSATA共用ポートを装備。左側面と背面にはUSB 3.0ポートも備える。常時接続する有線LAN(1000BASE-T)、Mini DisplayPortおよびHDMI出力などは背面に集約されている。
底面のカバーを開くと、メモリーモジュール(試用機では2GB×2のデュアルチャネル構成)と内蔵する無線LANモジュールが見え、その横にワイヤレスWANあるいは地デジチューナー(BTOで選択可能)の内蔵が可能だ。ちなみにバッテリーを外すと、内部にSIMカードスロットも見える(日本では3G通信機能は提供していない)。
試用機の基本スペックは、CPUにCore i7-740QM(1.73GHz)、メモリー4GB(DDR3 2GB×2)。グラフィックスにGeForce GT 435M(メモリー2GB)を搭載し、640GB HDD、OSにWindows 7 Home Premium 64bit版、光学ドライブにBDコンボドライブを搭載している。
これは、デルのオンラインショップで「パフォーマンスパッケージ」としてラインアップされている構成(10万9980円)から、1万3650円の追加でフルHDディスプレーを選び、無線LANをIEEE 802.11a/b/g/n対応の「Centrino Advanced-N6200」に変更(1050円)、さらに9セルバッテリー(2100円)にした状態となる。これだけリッチな構成でも、カスタマイズ後の価格は12万6780円と、正直に言ってかなり安価だ(値段はすべて本稿執筆時点、試用機はBDコンボドライブ搭載だが、上記構成は記録型BDドライブ)。
なお、Windows 7のエクスペリエンスインデックスは「5.9」(メモリーとHDD)と、ハイエンド機としてはやや伸び悩んでいるように見える。だがCPUは「7.1」、グラフィックスは「6.6」と高い値を示している。総合ベンチマークテスト「PCMark Vantage」の値を見ても、トータルで5609、Gamingスコアが6086と、基本の処理能力と描画性能が特に優れている。
PCMark Vantage 64bitのスコア | |||
---|---|---|---|
PCMark | Memories | TV and Movies | Gaming |
5609 | 4359 | 4288 | 6086 |
Music | Communications | Productivity | HDD |
5767 | 4567 | 4796 | 3830 |
キーボードのキー配置は、近頃よく目にするEnterキーの右側にも機能キーが一列並ぶタイプだ(デルやHPにはこの配置が多い)。また最上列のファンクションキーも、通常は無線LANのオン/オフ、バックライト輝度調整や再生ボタンなどの機能キーになっている。なお、試用機のキーボードは英語版だったが、日本語版キーボードではEnterキーが縦2段分のサイズになり、Backspaceキーは短くなるものの、基本的にキーピッチ19mmが確保されている。
さらさらとした感触のアルミ製パームレストも幅広くとってあり、キー入力になんら問題はない。またタッチパッドも広いため、高精細画面でも思うところに細かくカーソルを動かすことができ、快適に作業できた。
なお、XPSシリーズ独自のものとして、タッチ機能付きのボタンがキーボード右上に用意されている。無線LANの電源状態やタッチパッドの有効・無効を示すライトのほか、付属ユーティリティーで機能の割り当てが可能となっている。
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