その第一印象は、「ハイパフォーマンス・ノートも安価になったものだ!」だった。円高の昨今、もっと見直されていいのがデルのパソコンだろう。新装されたデルのエンターテインメント志向ハイパフォーマンスノートパソコン「XPS」シリーズから、今回は「XPS 15」を取り上げる。
シンプルで高性能! XPSブランドが復活した
XPSとは「Xtreme Performance System」を示すという。しかし、最近までノートパソコンのXPSには新製品が投入されず(編注:デスクトップには「Studio XPS」シリーズがある)、このままシリーズが終了するかと思われていた。
そこに投入されたのが、今回の新生XPSシリーズだ。14型ワイドディスプレーを搭載した「XPS 14」、同15.6型ワイドのXPS 15、17.3型ワイドディスプレーを搭載した巨大な「XPS 17」という、3モデルがラインアップされている。いずれも、シルバーとブラックのシンプルなデザインを採用しており、かつてのXPSノートを特徴付けていた華美な外観からは様変わりしているものの、パフォーマンス重視のポイントはしっかり承継している。しかも、価格は抑えられて買いやすくなった。
同社のパソコンは、CPUやメモリー、GPU、HDD容量など細かな仕様を購入時に選べるのが特徴だが、XPS 15は3モデルの中で唯一、フルHD表示(1920×1080ドット)対応の液晶ディスプレーを選択可能となっている。
外観はシックなブラックをベースとしながら、底面と液晶天板をシルバーに塗り分けたシンプルなデザインであり、コーナーに丁寧な丸みがあることで置き場所を選ばないのがいい。見た目に尖ったところはないが、アルマイト加工されたアルミニウム製の天板・パームレストなどが高級感をかもし出している。
ちょっと変わっているのは、ヒンジ部分の構造だろう。写真のように本体部分が後部にせり出しており、液晶ディスプレーの下部が入り込むスペースが設けられている。ディスプレーを180度開くことはできないものの、重心のバランスが良く安定性がある。
液晶ディスプレーは15.6型ワイドの光沢パネルで、白色LEDバックライトの1366×768ドットパネルと、RGB LEDバックライトのフルHDパネルの2種類から選択できる。試用機にはフルHDが搭載されていたが、非常に緻密で発色の良い表示には驚いた。特に、色の濃淡の表現力に優れており、風景などを表示すると奥行きさえ感じられそうである。
その反面、15型クラスでのフルHD表示は細かすぎるのだろう。高精細表示を意識していない古いビジネスソフトなどでは、文字が小さすぎて視認しにくいことがあった。普段どのような使い方をするのか、購入時に熟考したほうが賢明だ。なお、光沢タイプの液晶パネルではあるが、外光の映り込みはそれほど気にならなかった。
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