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3Dに録画機能にLED! 冬ボで買いたい最新テレビ/BDレコ 第8回

最新BDレコの実力――老舗の高画質に感動!? パナ&東芝編

2010年11月26日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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あらゆる点で死角なしの優秀さを誇る最強モデル
「DMR-BWT3100」

「DMR-BWT3100」

「DMR-BWT3100」

 ここからはDIGA最上位モデル「DMR-BWT3100」について詳しく見ていこう。サイズは幅430×奥行き239×高さ68mmと見た目はコンパクト。「DMR-BWT2100」などの下位モデルと比較しても奥行きがわずかに長い程度で、他社のBDレコと比べれば十分に薄く小型な本体だ。

正面パネルを開けたところ。左側がBDドライブ。右側には、B-CASカードやSDメモリーカードスロット、i.LINK、USBといった端子が装備されている

正面パネルを開けたところ。左側がBDドライブ。右側には、B-CASカードやSDメモリーカードスロット、i.LINK、USBといった端子が装備されている

 困ったことに、本機も前回紹介したソニー「BDZ」同様、トレイ開閉ボタンはドライブと反対の右端の上部にある。ディスクを取り出すつもりが、間違えて電源オフにしてしまったことが何度かあった。

背面には外部ビデオ入力を2系統装備。本機だけ同軸デジタル音声出力も備えている。HDMI出力も2系統

背面には外部ビデオ入力を2系統装備。本機だけ同軸デジタル音声出力も備えている。HDMI出力も2系統

 DIGAシリーズは基本的には似通ったデザインだが、本機のみ天板にアクリルの飾り板が備えられている。脚部にもセラミック製のインシュレーターが使われている。これは見た目だけでなく、振動対策を行なう高音質化のためのパーツだ。

付属のリモコン。再生用ボタンの配置などが改善され、早送りや巻き戻しといった操作がしやすい。録画ボタンは下部のカバー内にある

 リモコンを含め、簡単に使えることを重視した作りとなっているが、機能を比べていくと実は他社の高機能なイメージのある機種にもまったく引けをとらず、実はそれ以上に高機能だったりするのがDIGAの凄いところだ。

 重要度の高い機能などが積極的に盛り込まれており、初心者向けイメージがあるのにヘビーなマニアが使っても応える実力がある。弱点らしい弱点がまったくなく、結果的に総合力では最も優秀と感じさせられる。

「再生画質」設定で選択できる「アニメモード」。新たに原画解像度を480i/pと720i/pで切り替えられるようになり、より精度の高い高画質処理が可能となった

「再生画質」設定で選択できる「アニメモード」。新たに原画解像度を480i/pと720i/pで切り替えられるようになり、より精度の高い高画質処理が可能となった

 画質・音質関連では、アニメ作品に適した画質の「アニメモード」に新機能が加わった。ソフトの制作年代などから、アナログ時代の480i/pとデジタル時代の720i/pを選択することで、精細感や輪郭の乱れの処理をそれぞれ最適に処理してくれるものだ。

プレミアムモデルではおなじみの「シアターモード」。利用中は予約録画などができなくなるが、特に高音質化については大きな効果がある

プレミアムモデルではおなじみの「シアターモード」。利用中は予約録画などができなくなるが、特に高音質化については大きな効果がある

 また、HDD(の回転)など音質に影響のある振動やノイズの元となるデバイスを停止する「シアターモード」も、従来は設定メニューで「入/切」を選択していたが、本機ではBDソフトなどの再生時に「入/切」を選択できるようになった。これにより、予約時間に重なりそうなタイミングでの再生でも、わざわざ設定メニューを開かなくていいようになったのがうれしい。

「DMR-BWT3100」の再生設定のアドバンスト設定。「HDオプティマイザー」は精細感に合わせて最適なノイズ低減を行なうもの。基本的に常時「オン」でいい

「DMR-BWT3100」の再生設定のアドバンスト設定。「HDオプティマイザー」は精細感に合わせて最適なノイズ低減を行なうもの。基本的に常時「オン」でいい

 そして、DMR-BWT3100には「新リアルクロマプロセッサPlus」など、本機だけの高画質回路がある。アドバンスト設定で独自の高画質回路の効果を微調整できる。

「ディテールクラリティ」は、映像信号を周波数別に最適に処理して映像の精細感を高めるもの。0/1/2/3の4段階で調整できる。写真は「0」(左)と「3」(右)で処理をかけたもの

 切り替えによる効果が分かりやすいのは「超解像アップコンバート」だが、いろいろと調べてみたところ、ハイビジョン解像度ではほとんど効果がないようで、DVDなどのSD画質専用と考えていい。

 つまり、DVD再生で一度設定したら、そのままにしておいてもハイビジョン画質の映像が強調されすぎてしまうことがないわけだ。ちなみにDVD再生の場合は「1」が精細感のバランスがいい。「2」ではディテールを強調しすぎて、ノイズまでが目立ちやすい印象だ。

 BDソフトなどを見た印象は、ことさらに精細感を強調する画質ではなく、低ノイズですっきりと見やすいので、無難にまとめた印象を感じる。しかし、実はディテールの再現性がしっかりとしており、特に色の再現が緻密だ。色の濃淡の変化がよく描かれるので結果として情報量豊かな映像になっている。BDレコとしての画作りの熟成度の高さを感じさせる味わい深い映像だ。

 音質面は、通常の使い方だと明瞭さなどはしっかりしているが、少々真面目で大人しい音色となる。しかしシアターモードをオンにすると、微小音までもしっかりと再現され、HDMI出力の映像と音声を独立出力すると、さらに鮮明になってくる。

 低域の伸びが少々タイトながら、どんどん最低域まで伸びるようになる。シアターユースで本機を使うなら、少々使い勝手が犠牲になるとしても、「シアターモード」とHDMIの映像/音声独立出力を使いたい。

3Dソフトに関する機能は、3D再生/2D再生の選択のみ。「再生時選択」にするとディスクをセットした段階で選択できるようになる

3Dソフトに関する機能は、3D再生/2D再生の選択のみ。「再生時選択」にするとディスクをセットした段階で選択できるようになる


 DMR-BWT3100は3D対応モデルとしても2号機で、12.5倍の長時間録画やBDXLといった新機能はあるものの、少々インパクトの少ないマイナーチェンジモデルと感じていた。

 しかし、その細かな改善がむしろ実に細かい部分まで行き届いており、弱点のないDIGAの美点をますます完璧に近いものにしている。華やかさこそないが、使ってみると最強モデルと評した実力を分かっていただけると思う。

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