編集機能など従来の長所はすべて受け継いだ
東芝「REGZAブルーレイ」
DVDレコーダーでは最強と言われていた「RD」シリーズ。多くのユーザーにとっては、この秋こそが東芝のBD本格参入と感じるだろう。いよいよRDシリーズがBD搭載となり、これに合わせてブランド名も「REGZAブルーレイ」に一新された。
シリーズは、最上位モデルで唯一の3D対応モデルである「RD-X10」を頂点に、RDシリーズのスタンダードモデルとなる「RD-BZ800/700」、シングルチューナーの「RD-BR600」、そしてシンプル機能のダブルチューナーモデル「D-BZ500」となる。なお、BZ800/700、BR600に関しては別売のアップグレードキットを導入することで3D対応となる。
D-BZ500についてはほかの機種(RD型番)とメニュー構成や使い勝手、機能などが大幅に異なる。今回は今後のメインストリームになるであろうRD型番の機種にフォーカスして紹介する。
東芝「REGZAブルーレイ」のラインナップ | ||||
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型番 | HDD容量 | HDMI出力 | チューナー | 実売価格 |
RD-X10 | 2TB | 2系統、3D対応 | Wチューナー | 20万円前後 |
RD-BZ800 | 1TB | 1系統、3D対応 | Wチューナー | 9万円前後 |
RD-BZ700 | 500GB | 1系統、3D対応 | Wチューナー | 7.5万円前後 |
RD-BR600 | 500GB | 1系統、3D対応 | シングルチューナー | 6万円前後 |
D-BZ500 | 320GB | 1系統 | Wチューナー | 6万円前後 |
外付けのUSB HDDへの録画機能などは継承しつつ、BD搭載によって大きく変わった点は、DVDへのハイビジョン録画。記録はこれまでの「HD Rec」に変わって「AVCREC」となった。HD Recで記録したディスクの再生については、今後バージョンアップで対応予定としている。
RDの思想は、オリジナルをHDDに残して詳細に編集・管理するというもの。このためか、BDに記録したディスクは、放送番組はもちろんのこと、自分で撮ったハイビジョン映像などの著作権保護がかかっていない映像でも書き戻しができない。
BDなどのメディアなら、完全にパッケージ化して書き出すだけでも十分かもしれない。しかし、パナソニックがBDに保存した放送番組の書き戻しにも対応したことを考えると、編集・ダビング機能においてRDシリーズに見劣りを感じることになってしまったのは残念だ。
そして、最初にまとめて書いてしまうと、本機とREGZAブルーレイの全モデルがBDXLには非対応。長時間録画も2番組同時に行なうことはできないなど、録画・ダビング中の操作制限も今やBDレコの中でもっとも多い。
BD搭載という大がかりな開発を行なっていただけに、ほかが遅れてしまったのは仕方のない部分かもしれないが、結果的には、ここ最近注目されるマルチタスク機能において、かなり出遅れた印象だ。こうした点については、ぜひとも次世代機で巻き返しを図ってもらいたい。
「見るナビ」など3つの切り分けで
メニューはシンプルかつ分かりやすい
高機能イメージのあるRDシリーズだが、「スタートメニュー」の画面は簡潔で分かりやすい。「録る」「見る」「残す」などの項目で分けられており、やりたいことがすぐ分かるようになっている。また、画面デザインも高精細表示対応に加え、ブラック主体の渋い配色に変更されている。
高機能の割に「スタートメニュー」を簡潔にできたのは、同社の伝統的な機能でもある「クイックメニュー」が貢献している。これは録画予約、再生、編集などさまざまな動作状態に合わせて、その時に使える機能だけを抽出して呼び出せるメニュー。他社でも「サブメニュー」や「オプションメニュー」として採用しているが、REGZAブルーレイの場合、クイックメニューに専門的な機能までも盛り込まれており、ヘビーユーザーの使い勝手にまで配慮されている。
そして、メニューが簡素なもうひとつの理由が、「見るナビ」「番組ナビ」「編集ナビ」の3つにきちんと機能が整理されており、なおかつ相互の機能への移動が自由に行なえる完成度の高い操作系が確立されていること。
例えば「見るナビ」から編集を選べば「編集ナビ」に移れるし、「編集ナビ」で編集後の番組を見る場合はそのまま番組再生が可能。多機能ゆえにとっつきにくいイメージはあるが、実は操作系が整理されているので、慣れてしまえば実に快適に使えるのだ。
番組表や録画予約関連を行なう「番組ナビ」は、詳細な番組検索をはじめ、ネットワーク経由でRDユーザー同士の録画ランキングなどを確認できる「おすすめサービス」などがある。
番組表自体はリモコンでダイレクトに呼び出すこともできるが、ここで表示されるチャンネルなども詳しく設定できる。RDシリーズの番組表は、地デジやBSなどで区別されておらず、実はすべてをまとめて一覧できる。
しかし、それでは表示チャンネル数がいくつあっても足りないので、リモコンのボタンで絞り込めるのだ。地デジのみ、BSのみといった区別だけでなく、自分で自由に選択した地デジとBSの混在する番組表の表示も可能だ。
番組検索や自動録画の設定も複数キーワードの組み合わせによる絞り込み検索が可能で、目当ての番組をピンポイントで探せる。さらにはRDユーザー同士のランキングを参考にするなど、さまざまな録画スタイルを提供している。
なお、本機は「アクトビラ ビデオ・フル」などの動画配信には対応していないが、「おすすめサービス」内で「クリップ映像ダウンロード」を選べば、最新の映画の予告編などの視聴ができる。
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