スイッチでデータセンターが変わる 第30回
Avaya Virtual Services Platform 9000登場へ
アバイア、VENAでネットワーク全体の仮想化を目指す!
2010年11月25日 06時00分更新
11月24日、日本アバイアはデータセンターのネットワークインフラの最適化する仮想化アーキテクチャ「Avaya Virtual Enterprise Network Architecture(Avaya VENA)」、同アーキテクチャに対応する具体的な製品となる「Avaya Virtual Services Platform 9000(VSP9000)」を発表した。
現状のネットワークの課題を解消するVENA
Avaya VENAおよびVSP9000は、2009年9月の買収以前からノーテルが取り組んでいた研究開発の成果で、データセンターを含むエンタープライズネットワークが直面する課題に対する解決策として仮想化技術の利用をネットワークの領域に拡大することを狙ったものだ。
説明を行なった米アバイアのジャン・タージョン氏は、まず現状のネットワーク環境の課題として、「新しいアプリケーションやサービスの実装/展開に長い時間がかかる」「コンフィギュレーションが複雑で、人為的なミスによるトラブルも多い」「ネットワークインフラ自体がきわめて複雑になってしまっている」という3点を挙げた。
Avaya VENAは、こうした課題やビジネスニーズをふまえて設計されたエンタープライズネットワーク向けの仮想化アーキテクチャであり、データセンター全体の仮想化に対応する。なお、Avaya VENAでは単一のデータセンターに閉じた環境ではなく、最初から複数のデータセンターをまたがる「エンタープライズワイドなネットワーク仮想化ソリューション」となることを視野に入れている。
同アーキテクチャでは、コアスイッチ上で稼働するソフトウェアによる仮想化機能が中核となり、同社のハードウェアおよび高度な機能を備える統合管理ツールが組み合わされて実現される。管理ツールに関しても、単一のハードウェアスイッチのレベルでの管理に留まらず、仮想化環境全体の運用管理に対応した機能を実装する。タージョン氏は同社の取り組みを端的に表現して、「VMwareがコンピューティング環境で行なった仮想化の取り組みを、われわれはネットワークで行なう」と語った。
これらのコンポーネントの組み合わせによって実現される“Virtual Services Fablic”(バーチャルサービスファブリック)上に、ネットワークアプリケーションを展開する。このイメージは、あたかも複数の物理サーバーで構成される仮想化プラットフォーム上に仮想サーバーを自在に配置していくのと同様のものとなる。バーチャルサービスファブリック上に展開するアプリケーションは、複数のデータセンターをまたがった冗長構成なども運用管理ツール上での「ポイント&クリック」で簡単に構成できるという。
L2レイヤでの仮想ネットワーク統合/マッピングが実現されており、スイッチやポートに対して個別に必要となる設定や構成管理も運用管理ツールが一元化し、半自動的に対応することでこうした運用環境が実現される。
このAvaya VENAに対応するハイエンドスイッチとして発表されたVSP9000は、10Gbps Ethernetポートを高密度に実装するモジュラ型スイッチで、現状では最大8.4Tbpsのスイッチング容量を実現可能。将来は40Gbpsおよび100Gbpsポートに対応予定で、その場合は最大27Tbpsまでの拡張できる。単一障害点(Single Point of Failure)を回避する完全二重化構成のハードウェアで、今年7月に発表されたAvaya Ethernet Routing Switch 8800(ERS8800)の上位に位置づけられるモデルとなる。
ERS8800に対しても、仮想化対応機能を実現するソフトウェアアップデートが提供され、最新ソフトウェアを導入することでAvaya VENA対応を実現できるという。
VSP9000の価格は構成によって異なるが、最小構成時の参考価格は約1000万円。
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