日本始まったな……iTunes Storeで映画レンタル！

2010年11月25日 12時00分更新

文● 海上忍

　コンテンツはレンタルまたは購入のいずれかを選択できる。筆者が調べた限りでは、販売価格は「トイ・ストーリー3（日本語吹替版）」など劇場公開を終えたばかりの新作は2000円、旧作は1000円が目安となるようだ。レンタルの場合、新作は400円、旧作は200円からの設定となっている。

「トイ・ストーリー3（日本語吹替版）」は、現在のところSD版のみの提供

iTunes Storeでの映画の購入／レンタル価格（日本）
種別	購入価格	レンタル価格
HD映画新作	2500円	500円
HD映画準新作	2000円	-
HD映画旧作	2000円	300円から400円
SD映画新作	2000円	400円
SD映画準新作	1500円	-
SD映画旧作	1000円	200円から300円

　ただし、コンテンツによってはレンタルのみ、反対に販売のみ実施しているものもある。ショートフィルムのように、価格は200円で販売のみというタイトルもある。これは、価格設定や提供方法はコンテンツホルダーの裁量によるところが大きい証拠ともいえるだろう。

　解像度はHD（720p）とSDの2種類が用意され、タイトルにより対応状況は異なる。HD対応のタイトルであれば、「HD映画をレンタル」と、解像度がSDの「映画をレンタル」という2種類の選択肢が用意され、それぞれ異なる価格（HD版はSD版はおおむね100円高い）が設定されている。

購入はHD版とSD版を選択できるがレンタルはSD版のみ、というタイトルもある

　レンタルを選択すると、ダウンロード完了後から30日間がレンタル期間に設定される。期間内の都合のいいときに視聴できて再生回数にも上限はないが、一度再生するとその時点から48時間が再生有効期間とされ、48時間を過ぎると再生できなくなる。

レンタル版はダウンロード完了に合わせてカウントダウンが始まり、30日経過後には再生できなくなる

あの「トイ・ストーリー3」が早くもレンタル中

　ものは試しと、最近Blu-rayとDVDが発売されたばかりのトイ・ストーリー3をレンタルしてみた。価格は400円、HD版はなくSD版のみの提供だが、購入も可能（2000円）。すでに販売されているBlu-rayとDVDのセット製品（価格3990円）と比較するとやや割高感もあるが、夜中でも自宅からオンデマンドで視聴できるところにiTunes Storeの強みがあるのだろう。

レンタル版は何度でも再生可能だが、再生開始から48時間を経過すると再生できなくなる

チャプターも細かく設定されている

　ダウンロードが始まると、ファイルサイズや残り時間をダウンロード画面で確認できる。それによれば、トイ・ストーリー3のファイルサイズは約1.45GB、筆者の環境（Bフレッツ光マンションタイプ）では約4分で完了した。ちなみに、「踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間！」のHD版は約3.72GBだ。HD版が用意されているタイトルは、通信環境と表示装置の解像度を考え、どちらか一方を選択すればいいだろう。

　ダウンロードが完了すると、タイトルは「レンタルした項目」に登録される。ファイルシステム上は、他のムービーと同様にiTunesライブラリ内の「Movies」フォルダー（Mac OS Xの場合、/Users/XXXXX/Music/iTunes/iTunes Music/Movies）に保存されるものの、画面上ではiTunesライブラリの「ムービー」には表示されない。

　ファイルの詳細情報を確認してみたところ、映像と音声をミックスしたビットレートは2007kbps。ビデオコーデックはH.264、解像度は853×480ドットだった。DRMはFaiplay v3、QuickTime Playerなど他のメディアプレイヤーでは再生できないことも付け足しておく（必ずiTunesを利用するようになっている）。

トイ・ストーリー3は853×480ドット、ビデオコーデックはH.264／2007kbpsでエンコードされていた

　肝心の画質だが、ビットレートは約2Mbpsとリッチではないものの、視聴にはまったく問題ないレベル。トイ・ストーリー3の場合、ディスプレイに近づき目を凝らせばモスキートノイズは確認できたが、リラックスして楽しむコンテンツということもあり、気にならなかった。

　外部ディスプレイに出力できるかどうかも試してみた。MacBook Proに標準装備のMini DisplayPortへ、以前レビューで紹介した「Mini DisplayPort to HDMI Adapter」を接続し、液晶テレビとHDMIケーブルでつなぐと……無事に再生できた。Mac Proなどのデスクトップ機や、Windowsマシンでは未検証だが、外部ディスプレイへの出力は一切禁止という地デジチューナーにありがちな制限がないことがうれしい。ただし、スクリーンショットは撮影できないので、念のため。