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痛車でラリー! メロンブックスインテ奮闘記 第11回

メロンインテ、念願のシリーズポディウム! クラス2位を獲得

2010年11月24日 22時40分更新

文● 中村信博 ●写真/中島正義、うえのふみお

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残念ながらメロンインテは早々にリタイヤ

 問題はこのあと。メロン号はデイリタイヤ、つまり土曜日のデイ1から撤退した扱いとなっていて、規定時間内にトランスミッションの修復ができたなら、明日のデイ2から再出走することができる。現状の全日本ラリー選手権のルールでは、再出走してもポイントは付かずリタイヤのままだけど、せっかく会場まで足を運んでもらった観客の皆さんに元気に走っているメロン号を見てもらうことができるのだ。

そして、毎回オイシイ役回りが巡ってくる生めろんちゃん。今回はゲストドライバーの篠塚健次郎選手がドライブするランサーに同乗!

 ということで、手分けして交換用ミッションの手配を進めたが、これがなかなか見つからない。ようやく見つけたミッションは、インテグラ用ではあったが形式の違うSIR用のノーマルミッションで、LSDが装着されていないもの。これがタイプR用なら、ノーマルでもLSD(差動制限デフ装置)が組み込まれているんだが……。ミッションのギヤはノーマルでもいい、しかしLSDが組み込まれてないと、ちょっとした砂地でもスタックしてしまう危険がある。グラベルステージを走るにあたって、絶対に欠くことができないパーツなのだ。

一方、そのころデカめろんちゃんの方は、同じ敷地内にあった乗馬体験に興味津々。つーか、めろんちゃんズはどこまでもフリーダムだな……(汗)

ちゃんと申し込み用紙に名前も記入。めろんちゃん14歳だったのか、筆者も知らなかった(笑)

係の人に手伝ってもらって無事に乗馬。ゆっくりと馬場を一周する。残念ながら筆者はその場に居合わせなかったが、この写真を撮ったカメラマンによると、あきらかに馬はめろんちゃんを恐れていたんだとか……

サービスパークに帰還。チーム一堂集まって、今後の対応を検討中。マシンの状況、ファンアピール、来年に向けての経験作り、スポンサーへの影響、等々……いろいろな要素を並べて考え、最後は監督である筆者自身が決断しなければならない。今回の決断は、シーズン最後にしてもっとも難しい選択だった

チームが対応を検討しているころ、めろんちゃんズはセレモニアルスタートでスタートフラッグを振っていたり、お客さんのカメラに収まったり。リタイヤしてもしなくても、彼女たちの忙しさはあまり変わらない(笑)

 ゆっくりでもいいからデイ2を走行して、お客さんにメロン号を見てもらうか。それとも、このままイベントからの撤退を選択するか。悩みに悩んだ末に、筆者が出した結論は……イベントからの撤退だった。

 東北地方初お目見えとなった今回、多くのお客さんにメロン号の走っている姿を見てもらいたい。だが、現在のマシンの状態では、たとえ再出走したとしても途中でストップする可能性が高く、またそれ以上にクルーの安全も保障できないのだ。もし何らかの事態が生じた場合、他のチームや主催者だけでなく、このイベントを楽しみにして会場まで来られた多くのお客さんにも迷惑をかけることになってしまう。それだけは絶対に避けなければならなかった。

デイ2再出走を断念したメロン号は、サービス会場で展示することに決定。トランポのまま近くの洗車場に持ち込み、全身についた泥をスプレーガンで落としていく。ほとんどステージを走っていないため、拭きあげたボディにはまったく傷がついていない。眞貝選手にとって、その光景はとても悔しかったはずだ

 メロンブックス・ラリーチャレンジ"チーム2010"の最後のイベント参戦は、こうしてSS2で幕を閉じた。冒頭で説明したとおり、リタイヤしてもシリーズ6位以内に入るのは間違いない。ただし、2位~6位のポイント差が小さいために、今回のイベントの結果しだいでシリーズ2位以下の順位の大きな変動もありえるのだ。シリーズ3位の「田中伸幸/遠山由美子組ミラージュ」はSS1でリタイヤしたから良いとして、問題はシリーズ4位の「高橋悟志/箕作裕子組ミツバレビン」、シリーズ5位の「若槻幸治郎/露木明浩組NRSパルサー」が、このイベントでそれぞれ何位に入ってくるか。彼らの順位によっては、このままメロン号のシリーズ2位が確定する!

(次ページへ続く)

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