そのあまりにマニアックな完成度に嫉妬?
―― 今回はまたデチューンとコルグのコラボなわけですが、どういう立ち位置でしたか?
佐野 どっちかというと、僕はファンなんで。「いーよいーよ」って言いふらす役ですね。
佐藤 その辺のイニシアチブの取り方が、佐野さんは天才的なんで。
―― それは否定しませんが、開発のお二方は、佐野さんにイニシアチブを取られてどうですか?
福田 ええ、まあ、そうですね……。
―― なんですか、その微妙な距離感は。
佐野 あれですよ、僕は勝手にiMS-20をちょっとライバル的に見てましたし。
―― デチューンも独立したソフトシンセメーカーですからねえ。
佐野 敵ながらあっぱれ……いやいや敵じゃなくて、ええと、もうね、「ちぇーっ」みたいな。「そんなの作られたら、意味なくなっちゃうじゃん、俺らー!」みたいな。
―― じゃあ一緒にやれてよかったですねホントに。
岡宮 iMS-20の開発はコルグさんがやられて、僕らは(デモ)楽曲を提供したり、アドバイザーみたいな形で入ったんですが、基本は「スゲー! スゲー!」という……。
―― 今回のハイライトはSQ-10だと思うんですが。
佐野 最初の打ち合わせで、MS-20とSQ-10が置いてあったんですけど、ムチャクチャ「刺さり」ましたからね、SQ-10が。
福田 ずっといじってましたよね。
佐藤 それを皆がただ見ているという。
佐野 ちっとも打ち合わせじゃない!
福田 実はこんな凄いものがあるんですよ(30年の歳月を経てセピア色に変色し、年季の入りまくった超貴重な「KORG SQ-10」のオーナーズマニュアルを取り出す)。
佐野 うわー! かっこいい!
福田 中綴じがこんなふうに開くんですよ。ほらほら。今だとこんなのやらないですよね。ほらほら(ビリッ、と何かが破れる音)。
佐藤 おいおい!