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週刊 PC&周辺機器レビュー 第81回

ノートで最大4画面!? Optimus対応ThinkPad T410s

2010年11月19日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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記事冒頭でも掲載した、4画面同時表示の例

記事冒頭でも掲載した、4画面同時表示の例。編集部にあったディスプレーをかき集めてつないだので、それぞれの解像度やサイズはまちまちだが、問題なく4画面同時に表示できている

 ドックにはDisplayPort出力とDVI出力が2系統ずつ、さらにアナログRGB出力が1系統装備されている。ただし、DisplayPort出力とDVI出力はひとつずつのセットになっており、どちらか一方にしか出力できない。例えば1番のセットのDisplayPort出力を使っている最中は、1番のDVI出力は使えない。そのためドックから同時出力できるのは、アナログ1+デジタル2の最大3画面となるわけだ。

T410sを装着したドックの背面

背面から。下段がドック部分で、左からDisplayPort出力とDVI出力が2セット、有線LAN、USB×6、電源、eSATA、アナログRGB出力

4画面を横に並べたWindows 7のデスクトップ

4画面を横に並べたWindows 7のデスクトップ画面。左端がT410s本体の画面だ。解像度がまちまちなので、黒い部分にはなにも表示できないが、問題なく4画面を使用できている。横方向の解像度は6320ドットもある

 4画面出力には特になにも特別な設定は必要なく、3枚のディスプレーをドックにつなげて電源を入れれば、ごく普通に4画面が表示される。ディスプレーの配置や解像度も、Windowsでの一般的なマルチディスプレー環境と同様に変更できる。試用機では4画面すべてを横に並べてみたが、デスクトップの配置は自由に変えられる。

 デバイスマネージャーで調べてみると、T410s本体ディスプレーとドックのアナログRGB出力はCPU内グラフィックスから出力されているが、ドックのデジタル出力側はNVS 3100Mから出力されていることがわかった。そのためデジタル出力側のデスクトップ上でNVIDIAコントロールパネルを表示してみると、T410s本体側では表示されないディスプレーの設定が表示されたりする。

ドックのアナログRGB出力にディスプレーをつないだ状態のデバイスマネージャー(左)と、デジタル出力側につないだ状態。アナログ側では「Intel HD Graphics」の下に「汎用 PnP モニター」があるが、デジタル側ではNVS 3100Mの下にある

 とはいえ、どこの出力につながっているかをユーザーが意識する必要はない。4画面表示時でも、独立GPUを使うアプリケーションのウインドウは、独立GPUで描画される。

ノートパソコンでヘビーな仕事するビジネスユーザー向け

 T410sはNVIDIAの独立GPUを積んではいるが、NVS 3100Mはゲーム用GPUというわけではない。レノボやNVIDIAもそういうアピールはしておらず、どちらかと言えばNVIDIA CUDAに対応したアプリケーションやビデオ表示・編集アプリケーションをより快適に使うもの、あるいはノートでの多画面出力を実現するためのもの、と考えるべきだろう。

 GPU自体のスペックも、ノート用GPUとしてはエントリークラスの「GeForce 310M」と同程度なので、目を見張るような高性能というわけではない。ただし、貧弱なCPU内グラフィックスCPU内グラフィックスよりは、はるかに高性能である。今後はInternet Explorer 9のように、ウェブブラウザーでもGPUを駆使するようになると(関連記事)、その快適さがごく普通に実感できるだろう。

 ベンチマーク的な表示速度以上に、やはりノートで多画面をごく普通に使えるのはありがたい。記者の場合、ソニーの「VAIO Z」をドックに乗せて、本体とドックで2画面を表示しながら、さらに小型のUSBディスプレーをつないで3画面表示の環境で仕事をしている。本当はもう1画面欲しいくらいなのだが、サイズや表示性能が限られたUSBディスプレーでは、できることも限られる(記者はメーラー専用にしている)。

 そうした制約なしに、ノート1台で4画面までのディスプレーを使えるのは実に快適だ。デスクでは多画面を駆使してバリバリ仕事をこなし、会議や出張にはそのまま本体を持って出て、データや環境の同期など気にせず、いつものようにどこでも仕事をこなす。T410sとドックのコンビは、ハイパフォーマンスモバイル1台でどんな仕事もこなしたいビジネスユーザーにお勧めしたい製品と言えよう。

ThinkPad T410s(Optimus対応モデル、試用機) の主な仕様
CPU Core i5-560M(2.66GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス NVS 3100M(Optimus対応)、CPU内蔵
ディスプレー 14.1型ワイド、1440×900ドット
ストレージ HDD 250GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1
インターフェース USB 2.0×2(1ポートはPowered USB)、USB 2.0/eSATA×1、DisplayPort出力、アナログRGB出力、10/100/1000BASE-T LAN端子など
サイズ 幅337×奥行き241.5×高さ21.1~25.9mm
質量 約1.79kg
バッテリー駆動時間 約4.7時間
OS Windows 7 Home Premium 64bit
直販価格 21万5880円(キャンペーン価格、本稿執筆時点)

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