11月9日~12日に渡り、「3Dビジネスフォーラム 2010」と題して、今後の3D市場と、そのビジネスを探るセミナーと企画展が、都内で開催された。
会場では、3Dコンテンツやビジネスモデルといった課題を考えていこうといった趣旨の元に未来の3D技術を探る、各種セミナーが開かれた。一方で、世界で初めて商品化された3Dデバイス「ブリュースタースコープ」なども展示。3Dコンテンツ/デバイスの歴史を振り返る趣向も盛り込まれていた。
未来の3Dコンテンツは何を目指すべきか
この1年、世間では3Dへの関心が急速度で増している。映画「アバター」がきっかけとなり、3Dの映画上映はブームになっているほか、夏商戦以降、メーカー各社から多くの3D表示対応のテレビが発売されている。今年は「3D元年」とも言われている。
しかし、3D市場はこのままの勢いで拡大を続けていけるのだろうか?
最終日に行なわれた「3D映像のビジネス&マーケティング活用」と題するパネルディスカッションでは、広告代理店やコンテンツメーカー、3D映像の専門家などが、それぞれの立場から3D技術のビジネス利用について議論された。
参加者は、博報堂 エンゲージメントビジネスユニット 戦略企画部の千田光昭氏、カプコン コンテンツ統括の豊永洋一氏、3D立体映像コンサルタントの町田聡氏、バーチャルワールド専門メディア「THE SECOND TIMES」編集長の箱田雅彦氏。モデレーターはサイメン 3Dプロデューサーの渡辺昌宏氏。
3Dのビジネス利用が今後どうなっていくのかという問いに対して町田氏は、以下のように話す。
町田 「アーカイブとしてどう使うかなど、3D機能をどう活かし、どう役に立つかというところを追求して、提供していけば、BtoBは浸透していくだろうと考えている。一例を挙げれば、レストランチェーン、手仕事や技術を視覚的に見せるマニュアル化、あるいは生産(過程)の記録を撮影し、人間工学的にみてどうかを調べるといった使い方がある。つまり、2Dと3Dの境目がなくなっていく、それが3D化なのではないか。女性に聞くと“料理がキラーコンテンツだ”という意見もある」
この町田氏の発言を受けて、会場にいた女性からも「料理の手順は写真や文章だけでは分かりにくいこともあるので、3Dのレシピがあると便利」という声があがった。
