2台のHDDをパリティとして利用するRAID 6
RAID 6はパリティを2重化して記録する仕組みだ。最低4台から利用でき、うち2台分の容量を冗長化のために利用する。つまり、4台でRAID 6を構成した場合、利用できる容量は2台分となるが、その代わりに2台同時の故障にも対応できるのが特徴である。つまり、1台が故障して再構築中でも、RAID 5と同等の冗長性が確保できるというわけだ。
一昔前は、RAID 6と言えば企業向け製品が主体で、とても高価な製品ばかりだった。しかし最近は、個人でも手が届く価格帯に落ちてきている。RAID 6製品の中でも手軽に導入できるのが「NAS」だ。ネットワークにLANケーブルでつなぐだけで、外付けHDDとして利用できる。
RAID 6はパリティを二重化する分だけ、RAID 5よりも遅くなる。数年前のRAID 5対応NASだと、書き込み速度が5~10MB/秒程度と非常に遅いことも多かったが、最近はコントローラーの性能が向上してきた。最新のRAID 6対応NASなら、50MB/秒程度の実効速度を持つので、快適に利用できると言っていいだろう。
今回試用したのは、バッファローの「TS-XH2.0TL/R6」。500GB HDDを4基内蔵し、合計2TBの容量を備える。RAID 6で運用する場合は、使える容量は1TB分になる。容量別に4製品がラインナップされており、6TBモデルがGB当たりの単価が一番安い。RAID 6でも3GB分が利用できる。
TS-XHTL/R6シリーズのラインナップと価格 | |||
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製品名 | HDD構成 | 直販価格 | GB当たり単価 |
TS-XH2.0TL/R6 | 500GB×4 | 8万9800円 | 44.9円 |
TS-XH4.0TL/R6 | 1TB×4 | 10万9800円 | 27.5円 |
TS-XH6.0TL/R6 | 1.5TB×4 | 13万9800円 | 23.3円 |
TS-XH8.0TL/R6 | 2TB×4 | 19万9800円 | 25.0円 |
付属CDからユーティリティー類をパソコン※1にインストールして、NASをLANにつなぐだけでセットアップは完了だ。管理ソフトの「NASナビゲーター2」を起動すれば、NAS内の共有フォルダーを開ける。初期設定でRAID 6になっているので、即使い始められる。
※1 NASナビゲーター2はWindows 7/Vista/XP/2000、Windows Server 2008 R2/2008/2003 R2/2003/Windows Server 2000、Mac OS X 10.3.9に対応。それ以外の付属ソフトの対応OSは、ソフトにより異なる。
ストレージ性能ベンチマークソフトの「CrystalDiskMark 3.0」で、データ転送速度をチェックしてみた。結果は連続読み出しが約55MB/秒、連続書き込みは約25MB/秒であった。25MB/秒というと遅く感じるが、NASとしては上々のレベルだ。プログラムをインストールしたり、一時ファイルの保存場所には向いていないが、大容量データの保存場所としては問題ないだろう。読み出しは十分な速度があるので、ハイビジョン動画を直接再生しても、コマ落ちなどは起きない。
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