筆者が思わず感動したのが、Norton Safety Minderを組み込んだパソコンに表示される「家族ルール」やさまざまなメッセージだ。知らせるべきことはきちんと教え、子どもが理解したうえでパソコンを使わせる。禁止されたサイトに「なぜアクセスできないのか」を伝えてこその保護者であろう。ここまできちんと配慮しているセキュリティーソフトはそうない。
Norton Online Familyは、ウェブ上にアクセス状況を記録していくため、保護者が離れたところにいても、ウェブアクセス可能なスマートフォンやモバイルパソコンさえあれば、子どものインターネットアクセス状況をチェックできる。また、単なる「監視」から「対話」への機能が取り入れられており、子どもからの解除リクエストが入力されれば、NIS 2011登録時のアドレスに直ちにメールが送られるので、保護者はいつでもどこでもブロック解除が可能だ。
家庭で何台ものパソコンが使われる時代には、リビングのパソコンだけが共用されるのではない。行動監視というと、好ましいものではないように感じられるが、これもネットワークの危険性から子どもを守る、セキュリティーソフトのあるべき姿だと言えよう。
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ノートン インターネット セキュリティ2011には、歴史あるセキュリティーソフトとして、毎年あらゆる点で見直され改良され続けてきた実績がある。ところどころに難解さは残っているものの、ユーザーインターフェースも細部まで丁寧に作られており、好感が持てるものに仕上がっている。
検出数を競っていた時代から、処理の速さを追った時代、そして使いやすさの追求といったように、セキュリティーソフトの方向は時代とともに変貌をとげてきた。NIS 2011に搭載されたインサイト機能やペアレンタルコントロールは、さらにその先を見据えたものと言える。単純な軽さや速さよりも、セキュリティーソフトの信頼性、メーカーの姿勢を重視するユーザーに使ってほしい。
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筆者紹介─池田圭一
月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。
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